2011 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍におけるメチル化遺伝子とヒストンのメチル化による癌化機構の解明
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22791350
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
中原 由紀子 佐賀大学, 医学部, 助教 (50380770)
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Keywords | エピジェネティクス / メチル化 / 膠芽腫 / EHMT1 |
Research Abstract |
これまで他臓器癌で指摘されていたように、悪性脳腫瘍の分野でもDNAメチル化とヒストンのメチル化が密接に関連し、重要な遺伝子不活化機構として存在している可能性があると考えられている。悪性脳腫瘍に対する新たな分子標的治療の標的分子となりうる可能性を秘めた分子、Euchromatin Histone Methyltransferase 1 (EHMT1)とヒストンH3K9について検討し、これらの分子に関連した腫瘍化制御機構を解明することで、新たな分子標的治療薬を開発するための基礎となる研究結果を得ることを目的とした。 前年度から引き続き、膠芽腫細胞株および臨床摘出標本を用いて、ETMH1の発現が蛋白レベルおよび転写レベルで低下しているかどうかを検討した。数種の膠芽腫細胞株でEHMT1蛋白発現をウエスタンブロッティングを使って調べたが、入手した細胞株で蛋白発現が低下していた株は認めなかった。メッセンジャーRNAをもちいた転写レベルをRT-PCRで行ったが、同様に発現が認められた。 発現している細胞株をpositive controlとして、膠芽腫の切除標本に対してウエスタンブロッティング、RT-PCRを行ってみたが、評価は難しかった。膠芽腫は非常にheterogeneousな腫瘍であり、であり、免疫染色の結果も発現の低下を示す結果は得られなかった。本研究は膠芽腫においてEHMT1の発現が低下していることから発展させる予定であったが、予想された結果は得られなかった。
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