2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791356
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
深谷 雷太 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60348670)
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Keywords | 脳腫瘍幹細胞 / グリオーマ / 脳腫瘍 |
Research Abstract |
近年のがん研究の進展により、腫瘍幹細胞(brain cancer stem cell;BCSC)が、腫瘍の発生と維持に重要な役割を果たじていることが明らかになってきた。我々は、脳腫瘍より単離したBCSCに高発現する分子が、脳腫瘍根治における重要な役割を担っているという仮説に基づき、これらをターゲットとした分子標的療法の開発を目指している。これまで我々は、macropharge migration inhibitory factor(MIF)がグリオーマおよびBCSCにおいて高発現していることを明らかにしており、本研究ではMIFを標的とした脳腫瘍に対する分子標的療法の開発およびメカニズムの解析を目的とする。 本年度は、昨年度から引き続き、グリオーマ患者組織からBCSC株の分離・培養を行ない、長期培養可能な3種類のBCSC細胞株の樹立に成功し、神経幹細胞培養条件でのスフェア形成能、自己増殖能、多分化能を検証した。MIFは、炎症を促進するcytokineとして知られているが、グリオーマおよびBCSCにおける機能は解析されていない。そこで、siRNAおよびvirus vector用いてMIFの発現を特異的にknockdownすることによる抗腫瘍効果を検討した結果、invitroにおける細胞増殖抑制のみならず、invivo(脳腫瘍モデル)においても抗腫瘍効果を示すことが明らかになった。以上、MIFは正常脳組織と比較して脳腫瘍において高発現し、MIFの発現をknockdownすることにより抗腫瘍効果を示すことから、MIFを標的とした脳腫瘍に対する分子標的治療の可能性が示された。
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[Journal Article] Functional analysis of HOXD9 in human gliomas and glioma cancer stem cells2011
Author(s)
Tabuse M, Ohta S, Ohashi Y, Fukaya R, Misawa A, Yoshida K, Kawase T, Saya H, Thirant C, Chneiweiss H, Matsuzaki Y, Okano H, Kawakami Y, Toda M
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Journal Title
Molecular Cancer
Volume: 10(60)(online journal)
DOI
Peer Reviewed
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