2012 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄幹細胞による脳内免疫調節を介した神経救済の機構解明
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22791357
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大滝 博和 昭和大学, 医学部, 助教 (20349062)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 骨髄間葉系幹細胞 / 神経損傷 / マクログリア / 脳梗塞 / 脳虚血 / 再生医学 |
Research Abstract |
マイクログリア・マクロファージは神経損傷時に様々なタイプに活性化し炎症の憎悪だけでなく組織修復や組織再生に関与することが知られている.当該年度は,ヒト骨髄間葉系幹細胞(hMSCs)の移植は神経損傷時にどのようなタイプの活性タイプを引き起こすか脊髄損傷モデルを用いて検討した.さらに,神経ペプチドであるPACAPがこれらの活性化型を修飾するかPACAP遺伝子欠損マウスに対するMSCsの移植により検討した.これらの結果,hMSCsは脊髄損傷を有意に改善するが,PACAP遺伝子欠損マウスにhMSCsを移植した場合この作用がキャンセルされることを見出した.さらに,マイクログリアやマクロファージを活性化するサイトカインの発現をヒトおよびマウスの遺伝子発現により明らかにした.この結果,hMSCsはマウス炎症性サイトカインを抑制し,IL-4の発現を有意に促進した.このIL-4の発現は,PACAP遺伝子改変動物によりキャンセルされることよりhMSCsとレシピエントより発現するPACAPが相互にコミュニケーションを行い神経細胞死の抑制に寄与している新しい知見を得るに至った.さらに,hMSCsとレシピエントのコミュニケーションの様式を調べる目的の一環として,脳虚血したマウスにhMSCsの静脈(総頚静脈)および動脈(総頸動脈)投与によるhMSCsの脳内遺伝子修飾作用をマイクロアレイで検討した.動脈投与は静脈投与に比べ強い細胞死抑制効果が認められるが,静脈および動脈投与ともに対照群に比べ液性因子であるサイトカインの遺伝子発現を修飾した.しかし,その変化は動脈投与が強かった.さらに,動脈投与は静脈投与に比べ神経再生に関わる因子の発現が顕著に修飾されることが見出された.これは,hMSCsの動脈投与が液性因子以外の神経細胞死抑制もしくは神経再生機構を有している可能性を示しているかも知れない.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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