2010 Fiscal Year Annual Research Report
退行性椎間板疾患における炎症性サイトカインTSLPの役割の解明
Project/Area Number |
22791367
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大場 哲郎 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (70456490)
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Keywords | 椎間板 / TSLP / マウス / 低酸素状況 |
Research Abstract |
腰椎椎間板ヘルニアは、脱出したヘルニア塊が経時的に自然退縮するという事実が挙げられるが、そのメカニズムについては不明の部分が多く、これを解明することは椎間板ヘルニアの新しい診断方法や治療方法の確立につながる。近年アレルギー疾患の炎症反応のイニシエーターとして注目されているサイトカインTSLPが、炎症細胞の遊走に作用していることに着目し、椎間板ヘルニア病態におけるTSLPの役割について研究を進めている。 TSLPがどのような機序で椎間板組織から発現し、ヘルニアの自然退縮にどのような機序でどの程度作用しそいるかについて解明してきた。 椎間板組織とマクロファージの共培養におけるTSLPの発現の検討。 共培養上澄中のTSLP濃度を計測したが、その上昇はみられなかった。現在、共培養条件(培養時間、マクロファージの数)について変更しながら考察中である。また椎間板組織中の発現についてウェスタン・ブロッティング法、免疫染色法およびReal-time RT-PCR法で測定中である。 近年、生態内での椎間板が常に低酸素状況におかれていることから、低酸素条件下で椎間板組織を培養する実験方法を散見する。そこで、共培養条件を低酸素状況下で施行しながら考察を進めている。 すでにこれまでに、マウス尾椎由来の椎間板組織を酸素1%濃度の条件で培養したところ、酸素20%濃度の条件で培養した群と比較して椎間板組織中のアグリカンやTyPe2コラーゲンのmRNAの発現が上昇している結果をreal time PCRで得た。この結果は椎間板組織から発現するサイトカインのパターンが、培養されるO2の濃度によって違うことを示唆し、今後の実験を進めるのに重要だと考える。
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