2010 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用を目指した血液凝固関連因子による骨リモデリング制御機構の細胞生物学的研究
Project/Area Number |
22791372
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
吉田 格之進 三重大学, 医学部附属病院, 医員 (50525326)
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Keywords | 活性化プロテインC / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 血液凝固 / 骨リモデリング |
Research Abstract |
・研究の内容 骨折などの骨に物理的障害が加わる病態では、骨折部における血液凝固亢進がみられる。しかしながら、それに続く骨リモデリングにおける血液凝固制御系の役割は明らかでない。本研究では、血液凝固制御系と骨形成・破壊の関連を明らかにするため、抗凝固セリンプロテアーゼである活性化プロテインC(APC)のヒト骨芽細胞の細胞増殖及びヒト破骨前駆細胞からの破骨細胞形成に及ぼす影響を解析した。 ・研究の成果 (1)APCは、p44/42MAPKを活性化して骨芽細胞の増殖を促進することを明らかにした。また、この作用にはAPCのプロテアーゼ活性は関与せず、プロテアーゼ活性化受容体-1(PAR-1)以外の細胞膜受容体の関与が示唆された。(2)APCは、RANKL及びM-CSF誘導性の破骨細胞分化を、血管内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)を介してNF-κBの活性化を阻害して抑制することを明らかにした。 ・研究の重要性 APCの骨芽細胞増殖促進作用、破骨前駆細胞の破骨細胞への分化阻害作用の分子機序について解析し、骨リモデリングと血液凝固制御系との関連の重要性を示した。
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