2011 Fiscal Year Annual Research Report
臨床応用を目指した血液凝固関連因子による骨リモデリング制御機構の細胞生物学的研究
Project/Area Number |
22791372
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
吉田 格之進 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (50525326)
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Keywords | 活性化プロテインC / 破骨細胞 / 骨芽細胞 / 血液凝固 / 骨リモデリング |
Research Abstract |
・研究の内容 骨折などの骨に物理的障害が加わる病態では、骨折部における血液凝固亢進がみられる。しかしながら、それに続く骨リモデリングにおける血液凝固制御系の役割は明らかでない。本研究では、血液凝固制御系と骨形成・破壊の関連を明らかにするため、抗凝固セリンプロテアーゼである活性化プロテインC(APC)のヒト骨芽細胞の細胞増殖及びヒト破骨前駆細胞からの破骨細胞形成に及ぼす影響を解析した。 ・研究の成果 (1)APCが、骨芽細胞上の血管内皮細胞プロテインC受容体(EPCR)を介して、p44/42MAPKを活性化することにより骨芽細胞の増殖を促進することを明らかにした。また、このAPCの作用には、そのプロテアーゼ活性は関与しないことから、プロテアーゼ活性化受容体-1(PAR-1)以外の細胞膜受容体の関与が示唆された。 (2)APCは、破骨前駆細胞上のEPCRを介してNF-κBの活性化を阻害することにより、RANKL及びM-CSF誘導性の破骨細胞への分化を抑制することを明らかにした。 (3)APCによる破骨前駆細胞から破骨細胞への分化抑制には、APCのプロテアーゼ活性は関与せず、破骨前駆細胞上に存在するAPCの受容体としても機能することが報告されているアポリポ蛋白E2受容体が関与している可能性が示唆された。 ・研究の重要性 本研究により、APCによる骨芽細胞増殖促進作用、破骨前駆細胞の破骨細胞への分化阻害作用及びそれらの分子機序が明らかになり、骨リモデリングが免疫系だけでなく血液凝固制御系とも密接に関連することが示された。
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[Journal Article] 人工関節置換術後のフォンダパリヌクス濃度のモニター2011
Author(s)
和田英夫, 天満大志, 藤原圭人, 小川真央, 池尻誠, 松本剛史, 片山直之, 登勉, 辻明宏, 太田覚史, 土肥薫, 山田典一, 中村真潮, 伊藤正明, 吉田格之進, 長谷川正裕, 須藤啓広
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Journal Title
心臓
Volume: 43(7)
Pages: 1039-1040
Peer Reviewed
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