2011 Fiscal Year Annual Research Report
変形性関節症におけるメカノチャネルTRPV4の病態関与と新規治療を目指した研究
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22791376
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 浩司 京都大学, 医学研究科, 助教 (70536565)
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Keywords | 変形性関節症 / メカニカルストレス / 遺伝子改変マウス / TRPV4 / Sox9 |
Research Abstract |
平成23年度は変形性関節症においてメカニカルストレス-TRPV4-Sox9の関係を明らかにするために、TRPV4ノックアウトマウスとSox9-EGFPマウスを交配し(TRPV4KO;Sox9-EGPF)、変形性関節症の病態進行に伴う関節面EGFPの蛍光発現変化を解析した。変形性関節症の惹起には膝関節の内側側副靭帯及び内側半月板切離を行うmedialモデルを採用し、対側はsham手術を施した。その結果、野性型マウス(Sox9-EGFPマウス)の脛骨内側荷重面では術後1週の時点でsham側と比較してEGFP蛍光強度の上昇が見られ、病態進行に伴いその差は減少した。一方、TRPV4KO;Sox9-EGFPマウスでは病態進行と関係なく蛍光強度に差は見られなかった。また、脛骨近位外側では野生型、TRPV4ノックアウトマウスともにsham側との差は検出されず、蛍光強度の上昇は見られなかった。以上のことから、変形性関節症の発症初期ではメカニカルストレス亢進部においてTRPV4を介してSox9遺伝子の発現が一過性に上昇することが明らかとなった。またTRPV4特異的薬理活性剤GSK1016790Aを軟骨細胞もしくはATDC5細胞の培養液に添加すると、添加後2時間でSox9遺伝子の発現が亢進し、24時間でCol2a1遺伝子の発現量が上昇した。GSK1016790Aの関節内投与は変形性関節症の病態進行を抑制すること、及びTRPV4ノックアウトマウスは野生型に比べ早期に変形性関節症のステージが進行することから、TRPV4を介した初期のSox9発現亢進が細胞外基質蛋白質の発現を誘導し、病態の抑止に関与している可能性が示された。
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Research Products
(1 results)