2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄脂肪組織-骨芽細胞相互作用と脂肪組織由来間葉系幹細胞の増殖・分化機構の解明
Project/Area Number |
22791387
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
内橋 和芳 佐賀大学, 医学部, 助教 (60452835)
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Keywords | 骨髄脂肪 / 骨芽細胞 / 間葉系幹細胞 / 細胞増殖 / 細胞分化 |
Research Abstract |
骨内には、骨梁表面の骨芽細胞と骨髄脂肪組織により形成された微小環境が存在し、加齢と共に骨量の減少と脂肪組織の増加(脂肪髄化)が進行する。したがって、骨芽細胞と骨髄脂肪組織の相互作用は骨髄のホメオスタシスおよび骨粗鬆症の発症、進行に関与していると考えられる。そこで我々は、骨芽細胞と骨髄脂肪組織との細胞間相互作用とその相互作用下における脂肪組織由来間葉系幹細胞の増殖・分化機構を解明する本研究を着想した。 平成22年度において、我々はヒト骨髄脂肪組織とマウス由来骨芽細胞株を用いてこれらの混合培養を行い、以下の結果を得た。 1、骨髄脂肪組織(Bone Marrow Adipose Tissue,以下BMAT)の周囲に紡錘形の骨髄間質細胞が出現し、その中には、CD44/CD105共陽性の間葉系幹細胞が約3%、脂肪滴を有する前脂肪細胞が約1%含まれていた。 2、BMATと骨芽細胞との混合培養系においては、BMAT単独培養に比し、BMAT由来の骨髄間質細胞の遊走が減少した。 3、BMATと骨芽細胞との混合培養系においては、骨芽細胞単独培養に比し骨芽細胞の増殖能が低下した。また骨芽細胞分化マーカー(アルカリフォスファターゼ、1型コラーゲン、オステオカルシン)のmRNA発現が低下した。 4、上記の現象は、細胞接着のない混合培養系で得られた所見であり、双方の液性因子による影響と考えられた。 平成23度は、昨年度の結果を踏まえ、上記現象を仲介する遺伝子ないし蛋白を同定し、骨髄のホメオスタシス維持機構を解明する計画である。本研究により、骨粗鬆症の新たな治療戦略の開発につなげたい。
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