2010 Fiscal Year Annual Research Report
黄色靱帯肥厚の進行予防による新しい腰部脊柱管狭窄症治療法の開発
Project/Area Number |
22791393
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
江口 佳孝 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 後期研究医 (60567824)
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Keywords | 黄色靭帯 / 腰部脊柱管狭窄症 / 腰椎 |
Research Abstract |
腰部脊柱管狭窄症は高齢者において腰痛・歩行障害を引き起こす重要な疾患である。本疾患は黄色靭帯肥厚および椎間板膨隆による馬尾神経・神経根の圧迫が病態であるが、黄色靭帯肥厚に関する研究報告は極めて少なく、肥厚のメカニズムは未だ解明されていない。臨床上、機械的負荷が増大している部分において肥厚が特によく見られることをヒントとして、我々はウサギ腰椎を用いて黄色靭帯肥厚モデルを作成し肥厚メカニズムを解明することを本研究の目的とした。 ウサギの脊椎に対して第2・3腰椎椎間と第4・5腰椎椎間にプレートを用いて固定し、第3・4腰椎椎間レベルに応力を集中させるモデルを作成した。術直後の椎間可動域を測定したところ、第3・4腰椎椎間レベルでの椎間可動角は正常と比較して増大していることが確認された。その後、ウサギを術後8週・16週で犠牲死させて第2-5腰椎レベルの黄色靭帯を採取、黄色靭帯を組織学的に評価した。正常な黄色靭帯の組織では線維構造の緻密な配列が認められるが、応力が集中した第3・4腰椎椎間レベルの黄色靭帯は固定椎間レベル(第2・3腰椎椎間、第4・5腰椎椎間)と比較してその線維構造の配列は粗となり、一部には弾性線維の断裂が認められた。軟骨基質を染色するToluidine Blue染色を行ったところ線維構造破綻部を中心に軟骨基質を示す異染性が認められ、免疫組織学的染色では同部位にcollagen type IIの発現が認められた。 今後は上記の結果を定量的に評価した上で、黄色靭帯のRNAを抽出し更なる解明を行う予定である。
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