2010 Fiscal Year Annual Research Report
TACEはTREM1のsheddingを介してmonocyteの活性を調節する
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22791402
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
内川 伸一 慶應義塾大学, 医学部, 研究員(非常勤) (70365443)
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Keywords | TACE / shedding / IL-1 |
Research Abstract |
本研究立案にあるTREM1のsheddingに関しては,生体内で観察した結果を生化学的手法にて再現できなかったため,対象遺伝子をIL-1受容体に変更し,立案計画に沿って解析を続行した,IL-1は炎症および感染防御において重要な機能を有するサイトカインであり,その活性は極めて高度に調節されている.IL-1の受容体には2種(IL1-RI,IL1-RII)存在するが,IL1-RIIは細胞内領域を欠損しており,IL-1シグナルを負に調節すると考えられている.さらに,これらの受容体は細胞膜上にて蛋白質分解作用(以下,shedding)をうけ,可溶型蛋白質としても存在することが報告されている.上記IL-1受容体(IL1-RI,IL1-RII)のshedding活性を,各種蛋白質分解酵素阻害剤およびTACE欠損細胞を用いて生化学的な評価を試みた.その結果,IL1-RIIのみがTACE特異的に切断を受けることが明らかとなった.さらにTACE遺伝子改変マウスを利用し,LPS投与後の可溶型IL1-RIIの濃度を検討したところ,野生型に比較しTACE遺伝子改変マウスにおいて著明な濃度低下が認められた.TACEを欠損したマウス骨髄細胞はIL-1受容体の下流に存在するJNKのリン酸化が野生型と比べ抑制されており,このことからTACEの欠損によって細胞膜上のIL1-RIIが相対的に上昇し,IL-1シグナルが抑制されていると推測された。今回の解析でIL-1受容体のうちIL1-RIIのみがTACEにて選択的にsheddingを受け,またTACE欠損細胞の解析から,TACEはIL1-RIIのsheddingを介して細胞内のIL-1シグナルを正に制御していることが示された.炎症性疾患・免疫に極めて深く関与しているIL-1シグナルの調節機構を解明することは,臨床応用へのフィードバックの一助となると考える.
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