2011 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症に関連する尿濃縮の破綻機序解明とナトリウムを主体とした体液量維持療法の検討
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22791412
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
外山 裕章 東北大学, 病院, 助教 (00375007)
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Keywords | ナトリウム / アルドステロン / 副腎不全 / 循環血液量 |
Research Abstract |
年度直前にあった大震災の影響が甚大であったため、本年度は実験計画通りに研究が進まなかった。年度前半は実験設備の復旧に終始して終わってしまった。年度後半9月より、昨年行ったナトリウム・アルドステロンと循環血液量との関連を検討する実験に対する追加実験を行った。循環血液量の測定はエバンスブルー色素を利用した色素希釈法を用いた。副腎不全ラット(ADX)、副腎不全生理食塩水飲水ラット(ADX-NS)、副腎不全アルドステロン補充ラット(ADX-Ald)、偽手術ラット(Sham)に加え、新たに偽手術塩水飲水ラット(NS)を作成し、このモデルの循環血液量の検討を行った。また、モデルに腹膜炎による敗血症を誘発し、敗血症誘発前後の循環血液量の変化も検討した。偽手術塩水飲水ラット(NS)では、敗血症誘発前後とも循環血液量の増加を認めた。その後、組織ナトリウム濃度の測定系を確立できたので、前述の各病態モデルラットを犠牲死させ採取した腎臓の全層・皮質・髄質外層・内層の検体について、各層のナトリウム濃度の測定を開始した。現在データを集めている所である。加えて、各腎臓の分画の抽出液を用いて、TonEBPのmRNAの発現量をリアルタイムPCR法にて解析し始めた。リアルタイムPCR法での検討は、検体のmRNAにコンタミネーションが多いためか、検体のTonEBPのmRNAの発現量が少ないためか、もしくはプライマー不良のためか上手く進んでいない。現在原因を検討中である。このためTonEBPのmRNAの発現量に関するデータの収集ははかどっていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は年度直前にあった大震災の影響により、動物実験施設が損傷し、実験動物の入手が困難となってしまい動物の搬入が6月以降まで困難な状況となってしまった。また、生化学分析施設の破損や停電による試薬類の失活も有り、研究を完全に再開して軌道に乗り始めたのは9月以降となった。現在挽回にいそしんでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は本年度に開始した実験を継続して行い、AVPの測定、TonEBPの免疫染色の為の抗体作製等を行う予定である。
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