2012 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症に関連する尿濃縮の破綻機序解明とナトリウムを主体とした体液量維持療法の検討
Project/Area Number |
22791412
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
外山 裕章 東北大学, 大学病院, 助教 (00375007)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ナトリウム / アルドステロン / 副腎不全 / 循環血液量 |
Research Abstract |
副腎不全ラット(ADX)、副腎不全生理食塩水飲水ラット(ADX-NS:ナトリウム負荷)、副腎不全アルドステロン補充ラット(ADX-Ald:アルドステロン補充)、偽手術ラット(Sham)を作成し、循環血液量の検討を行った。また敗血症を誘発し、敗血症発症後の循環血液量の変化も検討した。敗血症誘発前の体重あたりの循環血液量はADX<ADX-NS<Sham <ADX-Aldであった。副腎不全では循環血液量が減少し、ナトリウム負荷により若干の循環血液量増加効果を認めた。アルドステロンの補充により循環血液量は過剰となり、グルココルチコイドによるミネラルコルチコイド作用の抑制が無い状態ではアルドステロンの作用が過剰に発現する事が示された。敗血症誘発後はADX-NS<ADX<Sham<ADX-Aldであった。敗血症による血管外への血漿の漏出による循環血液量減少は、Sham<ADX<ADX-NS<ADX-Aldであった。ナトリウムによる循環血液量増加作用は敗血症状態では有効ではなかった。アルドステロン補充は血漿漏出を抑制できないものの、循環血液量自体は正常に維持された。次に副腎不全時の尿濃縮能力の維持に関して、各群の尿量と尿浸透圧を検討した。アルドステロンを補充したもののみ尿濃縮能力を維持しており、敗血症を誘発しても維持していた。腎組織の組織ナトリウム濃度を腎の各層で検討した結果では、副腎不全では組織ナトリウム濃度の低下が著しく尿濃縮力低下を裏付けていた。ナトリウム負荷では組織濃度の上昇は小さく、アルドステロン補充でのみ組織ナトリウム濃度が上昇していた。アルドステロン投与とナトリウム投与でTonEBPの細胞質内での発現の増加と細胞核内発現を認めた。続いて、浸透圧の細胞内伝達系蛋白であるTonEBP発現量を腎組織において免疫組織学にて検討した。アルドステロン投与では特に強く発現していた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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