2010 Fiscal Year Annual Research Report
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22791425
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
J・P Bellier 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 助教 (80346022)
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Keywords | 痛覚伝達 / 後根神経節 / dorsal root ganglion / テトラヒドロビオプテリン / 神経障害痛のラットモデル / グアニル酸シクロヒドロラーゼ1 / GTP cyclohydrolase 1 / アセチルコリン |
Research Abstract |
痛覚伝達において、一次知覚神経は重要であり、それは後根神経節(dorsal root ganglion ; DRG)の中にある。テトラヒドロビオプテリン(BH4)は神経伝達物質を生合成する酵素群の活性に必須であり極めて重要な補酵素である。近年の研究により痛覚伝達にはグアニル酸シクロヒドロラーゼ1酵素(GTP cyclohydrolase 1 ; GCH1)が重要な役割を果たしていることが明らかになった。GCH1はテトラヒドロビオプテリン(BH4)生合成経路の律速酵素である。また、GCH1の酵素活性はGFRP (GCH1 feedback regulatory protein)によって調節されている。本研究では、まず神経障害性疼痛のラットモデルにGFRP/GCH1タンパク複合体が存在すること、次にアセチルコリンの効果によるGFRP発現とGFRP/GCH1タンパク複合体の変化について検討する。本実験では神経障害性疼痛モデルのDRGとしてGFRP/GCH1タンパク複合体を選び、その挙動をblue-native polyacrylamide gel electrophoresisを用いて観察した。また、痛覚伝達におけるアセチルコリンの効果を以下の方法を用いて分析検証した。まず、ラットに受容体アゴニストを注入し、リアルタイムRT-PCRによってDRGにおけるGCH1とGRFP mRNAを発現させた。次に、電気化学検出高速液体クロマトグラフィー用いてBH4の測定を行った。その結果、GFRP/GCH1タンパク複合体が痛覚伝達の調節に重要な役割を果たすことが示唆され、コリン作動性神経がGFRP/GCH1タンパク複合体を調節していると考えられる。
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