2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791437
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
廣瀬 佳代 徳島大学, 病院, 医員 (40532221)
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Keywords | 心保護 / 吸入麻酔薬 / 糖鎖 |
Research Abstract |
吸入麻酔薬をあらかじめ投与することによって後に起こる心筋梗塞のサイズを減少させるAnesthetic preconditioning (APC)作用が知られている。APCには様々なシグナル伝達経路が知られている。今回我々は、糖鎖であるO-Linked β-N-acetylglucosamine(O-GlcNAc)が吸入麻酔薬による心保護に関与すると仮説を立てた。In vivoでのマウス虚血再潅流(30分-2時間)モデルにおいてリスク領域に対する心筋梗塞サイズはAPC群では対照群と比較して減少する(30±4%vs. 41±4%,p<0.05)が、O-GlcNAc transferase阻害剤であるアロキサンを前投与することによって心筋保護作用は阻害された(42±5%)。さらに、心室筋を摘出し、APCの影響をイムノブロッティング法にて検討した結果、イソフルラン投与によってO-GlcNacの発現が増強していることが明らかになった。マウスの遊離心室筋細胞を用いたin vitro低酸素モデルにおいて低酸素後の細胞生存率はイソフルランによるAPC作用によって上昇するが(51±14%vs.23±12%,p<0.05)、イソフルラン刺激前にアロキサンを投与し同様の実験を行なった場合、その保護作用は棄却された(30±13%)。 これらの結果から、O-GlcNAcは吸入麻酔薬による心保護に関与すると考えられる。
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Research Products
(1 results)