2011 Fiscal Year Annual Research Report
μ-δオピオイド受容体複合体を介したレミフェンタニルによる鎮痛メカニズムの解明
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22791441
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
村田 寛明 長崎大学, 大学病院, 助教 (90437856)
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Keywords | オピオイド受容体 / 二量体 / レミフェンタニル / 急性耐性 |
Research Abstract |
これまでの研究の成果より、レミフェンタニルによるμ-δオピオイド受容体二量体のinternalizationおよびrecyclingは濃度依存性であることが明らかとなった。すなわち、レミフェンタニルが高濃度であるほど、intemalizationは亢進し、recyclingは抑制された。この先の研究を進めるにあたり、そもそも細胞質内に局在するμ-δオピオイド受容体二量体と、細胞膜表面に局在するμ-δオピオイド受容体二量体を明確に区別して評価することが、より正確なinternalization/recyclingの評価につな炉ると判断レた。そこで、N末端にHalo Tag signalを結合させたμオピオイド受容体の発現ベクター作成に着手した。Halo-Tagを付加した受容体発現ベクター作成にはシグナルペプチドを追加するなどの種々の工夫を必要とし、その成果を第64回薬理学会西南部会において発表した。このようにして作成されたHalo Tag-μオピオイド受容体が細胞膜表面にrecruitされると、Halo Tagは細胞膜外側に突出しだ形で発現する。このような受容体に対し、Halo Tagへの結合能力を有するが細胞膜を透過しないAlexa-Fluoro 488という蛍光標識を行うと、細胞膜表面のみに局在するμオピオイド受容体を検出し、その後の細胞内局在を、そもそも細胞内に局在していたμオピオイド受容体と区別をして評価することができる。この技術を応用して、細胞膜表面に局在していたμ-δオピオイド受容体二量体の細胞内局在の変化を特異的に追跡する方法を確立し、今後の本研究を遂行することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞膜に局在する,μ受容体の細胞内動態をより特異的に検出しうる発現ベクターシステムを新たに構築することに成功した。本方法を用いることにより、μ-δオピオイド受容体二量体の各種オピオイドに対する細胞内局在の変化をより正確に同定しうることが予想されるため、この新たなシステムによる実験プロトコール準備に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の新システムを用いたプロトコールを早急に確立し、レミフェンタニル単独および各種薬剤併用下でのμ-δオピオイド受容体二量体複合棒の細胞内局在を継時的に評価する。
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Research Products
(2 results)