2010 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性神経障害における下行性疼痛抑制系の脳内モノアミン動態の解明
Project/Area Number |
22791451
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
舟尾 友晴 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70433307)
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Keywords | 糖尿病性神経障害 / 下行性疼痛抑制系 / 脳内モノアミン |
Research Abstract |
日本を含めた先進国では、糖尿病患者の数は増加の一途をたどり、自国の生産性の低下や医療費の増大といった深刻な問題となっている。糖尿病の合併症のひとつである神経障害は、進行すると下肢のしびれ・疼痛のために自立歩行が不能となり、車椅子生活を余儀なくされる場合も多い。現在、糖尿病性神経障害による下肢の疼痛は難治性であり、様々な鎮痛薬や神経ブロックに抵抗を示す。当初本研究では、糖尿病性神経障害モデルマウスを使用する予定であったが、マイクロダイアライシス留置などの手技を考慮し糖尿病性神経障害ラットを作成することとした。体重150-200gのSD系雌ラットにストレプトゾシン50mg/Kgを1.5mMのクエン酸でpH4.5に調整したものを尾静脈から投与し、数日後血糖値が300mg/dlより高値であることを確認する。6-8週間後にvon Frey filamentを用いて行い、得られたスコアに基づいてアロディニアや痛覚過敏の診断を行った。その後セボフルラン麻酔下に動物を定位脳固定装置に固定しラムダ縫合より尾側3.3mm、側方1.3mmにバーホールを作成、矢状面から15°で深さ8.3mmに存在する青斑核にマイクロダイアライシスプローブを留置した。2-3日後にシリンジボンプ(ESP-64,Eicom)を用いて、マイクロダイアライシスプローブを人工脳脊髄液で灌流(2μl/min)し、プローブを通して得られた灌流液をオートサンプルインジェクターを用いて高速液体クロマトグラフ(high performance liquid chromatography : HPLC)に注入するマイクロダイアライシス法に従って脳細胞外液中のセロトニン、ドパミン、ノルアドレナリン濃度の測定を行っており、データ収集している段階である。
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Research Products
(4 results)