2010 Fiscal Year Annual Research Report
全身麻酔薬の作用機序解明を目指したTRP受容体に対する全身麻酔薬の影響解析
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22791461
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
寺田 忠徳 産業医科大学, 医学部, 助教 (10399206)
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Keywords | TRP受容体 / アフリカツメガエル卵母細胞発現系 / 全身麻酔薬 / TRPV1受容体 / イソフルラン / セボフルラン / カプサイシン / 全身麻酔薬の作用機序 |
Research Abstract |
申請者らは、全身麻酔薬の作用機序解明に貢献するため、TRP受容体に対する全身麻酔薬の影響全貌を明らかにすることを計画した。方法として、(1)アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いた4種のTRP受容体に対するに対する全身麻酔薬の影響解析、(2)ラット脊髄後根神経節(DRG)と脊髄後角膠様質(SG)に発現するTRP受容体に対する全身麻酔薬の影響解析、(3)ノックアウトマウスによる行動薬理学的解析、を計画した。 平成22年度は、アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いたTRP受容体に対する全身麻酔薬の影響解析を行った。TRP受容体のうち、感覚神経細胞に多く発現し、侵害刺激受容や疼痛発現に大きく関わっていると考えられているTRPV、TRPM、TRPAのサブファミリーに属するTRPV1、TRPV2、TRPM8、TRPA1を用いた研究を計画した。このうち、TRPV1受容体のcRNAをアフリカツメガエル卵母細胞に注入し、発現させることに成功した。Voltage-Clamp法による電気生理学的手法により、チャンバー内の温度を室温の22-23℃に設定し、カプサイシンによって活性化された電流に対する全身麻酔薬、イソフルラン、セボフルランの影響を調べた結果、これら全身麻酔薬が活性化された電流を増大させることを確認した。今後、同様にTRPV1受容体を用いて、熱刺激やプロトンによる活性化電流に対する全身麻酔薬の影響を解析し、またTRPV2、TRPM8、TRPA1についても同様な解析を行っていく予定である。
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