2011 Fiscal Year Annual Research Report
全身麻酔薬の作用機序解明を目指したTRP受容体に対する全身麻酔薬の影響解析
Project/Area Number |
22791461
|
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
寺田 忠徳 産業医科大学, 医学部, 助教 (10399206)
|
Keywords | TRP受容体 / 全身麻酔薬 / TRPA1受容体 / 全身麻酔薬の作用機序 / イソフルラン / セボフルラン |
Research Abstract |
申請者らは、全身麻酔薬の作用機序解明に貢献するため、TRP受容体に対する全身麻酔薬の影響全貌を明らかにすることを計画した。方法として、(1)アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いた4種のTRP受容体に対するに対する全身麻酔薬の影響解析、(2)ラット脊髄後根神経節(DRG)と脊髄後角膠様質(SG)に発現するTRP受容体に対する全身麻酔薬の影響解析、(3)ノックアウトマウスによる行動薬理学的解析、を計画した。 平成23年度も引き続き、アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いたTRP受容体に対する全身麻酔薬の影響解析を行った。TRP受容体のうち、侵害刺激受容や痺痛発現に大きく関わっていると考えられているTRPAのサブファミリーに属するTRPA1受容体に対する全身麻酔薬の影響解析を行った。TRPA1受容体のcRNAをアフリカツメガエル卵母細胞に注入し発現させ、Voltage-Clamp法による電気生理学的手法により、冷刺激によって活性化された電流に対するイソフルラン、セボフルランの影響を調べた。その結果、これら全身麻酔薬が活性化された電流を増大させることを確認した。今後、DRGとSGなど神経細胞を用いたTRP受容体に対する全身麻酔薬の影響を同様に解析する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
TRPA1受容体の発現が困難であり、これを発現させるためにクローン培養の方法など分子生物学的実験において工夫が必要であり、時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、DRGとSGなど神経細胞を用いて、アフリカツメガエル卵母細胞発現系で解析したTRP受容体(TRPV1、TRPA1受容体)に対する全身麻酔薬の影響を同様に解析する予定である。神経細胞の培養などが困難な可能性があるが、その場合は海外共同研究者である米国テキサス大学のR.A.Harris教授から、インターネットなどの通信手段を用いてアドバイスを受ける予定である。
|