2012 Fiscal Year Annual Research Report
全身麻酔薬の作用機序解明を目指したTRP受容体に対する全身麻酔薬の影響解析
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22791461
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
寺田 忠徳 産業医科大学, 医学部, 助教 (10399206)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | TRP受容体 / TRPM8受容体 / 抗うつ薬 / デュロキセチン / 鎮痛機序メカニズム |
Research Abstract |
申請者らは、全身麻酔薬の作用機序解明に貢献するため、TRP受容体に対する全身麻酔薬の影響全貌を明らかにすることを計画した。方法として、(1)アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いた4種のTRP受容体に対するに対する全身麻酔薬の影響解析、(2)ラット脊髄後根神経節(DRG)と脊髄後角膠様質(SG)に発現するTRP受容体に対する全身麻酔薬の影響解析、(3)ノックアウトマウスによる行動薬理学的解析、を計画した。 平成24年度は昨年度までの全身麻酔薬に続き、慢性疼痛としての神経障害性疼痛にしばしば有効な鎮痛効果を発揮する鎮痛薬としての抗うつ薬のTRP受容体に対する影響を解析を行った。TRP受容体のうち、神経障害性疼痛の代表的な症状である冷感アロディニアのメカニズムの一つとして示唆されているTRPMサブファミリーに属するTRPM8受容体に対する抗うつ薬(デュロキセチン、アミトリプチリン、イミプラミン、ノルトリプチリン)の影響解析を行った。TRPM8受容体のcRNAをアフリカツメガエル卵母細胞に注入し発現させ、Voltage-Clamp法による電気生理学的手法により、TRPM8の刺激物質であるメンソールによる誘発性電流に対する抗うつ薬の影響を調べた。その結果、これらの抗うつ薬がTRPM8のメンソール誘発性電流を濃度依存性に抑制することを発見した。特にデュロキセチンの効果が最も強く、唯一臨床濃度でTRPM8受容体機能を抑制することが示された。これらの結果により、神経障害性疼痛時における抗うつ薬、デュロキセチンの鎮痛効果、特に冷感アロディニアの軽減効果のメカニズムの一つとして、TRPM8受容体機能の抑制が関与している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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