2011 Fiscal Year Annual Research Report
高脂肪食、肥満による前立腺癌増殖進展におけるTWEAK-Fn14シグナルの役割
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22791464
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
黄 明国 秋田大学, 医学研究科, 特任助教 (60448503)
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Keywords | TWEAK / Fn14 / 前立腺癌 |
Research Abstract |
Fn14,TWEAK 発現は、ホルモン応答性前立腺癌細胞株 LNCaP 細胞に低発現、ホルモン不応性前立腺癌細胞株PC-3,DU145細胞に高発現していた。rTWEAK刺激によって、PC-3細胞のFn14発現が時間依存的、濃度依存的に増強された。Fn14 siRNA, rTWEAKによる機能解析によって、TWEAK-Fn14シグナルがPC-3,DU145細胞の浸潤能、遊走能を制御していることが確認された。また、Fn14の発現は、PC-3,DU145細胞のapoptosisに関連していることが示された。さらに、Fn14安定高発現PC-3/Fn14細胞はPC-3/Mock細胞より増殖能が有意に亢進した。Fn14siRNA処理したPC-3細胞は、Control siRNA処理したPC-3細胞よりMMP-9の遺伝子発現、活性化MMP-9の産生が有意に低下した。一方、rTWEAK刺激によって、PC-3細胞は、MMP-9の遺伝子発現、活性化MMP-9の産生が有意に亢進した。PC-3/Fn14細胞はPC-3細胞に比較し、4倍くらいの浸潤能を示し、またMMP-9特異的な阻害剤の処理によって浸潤能が有意に低下した。PC-3/Fnl4 Xenograftは、PC-3/Mock Xenograftより有意に大きく、またFn14,MMP-9 の発現も有意に亢進していた。癌細胞の横隔膜浸潤モデルの解析では、PC-3/Fn14は、PC-3/Mockに比べて有意に高い浸潤能を示した。112例の前立腺癌全摘標本におけるFn14の解析では、Fn14高発現群(12例、10.7%)では、中発現(61例、54.5%)、低発現(39例、34.8%)より非再発生存期間が有意に短かった。 以上の結果より、TWEAK-Fnl4シグナルはMMP-9シグナルを介してホルモン不応性前立腺癌の細胞増殖、浸潤能を制御すると考えられる。また、前立腺癌上皮におけるFn14発現は患者の予後に影響する可能性がある。TWEAK-Fn14シグナルは、前立腺癌の治療のターゲットになる可能性がある。 Fn14は、高脂肪食によるLNCaP xenograftモデルマウスの癌増殖による遺伝子解析によって発現増強が確認された分子である。今回の研究で、我々はさらにMCP-1/CCR2シグナルも高脂肪食による前立腺癌増殖に関与している可能性があることを確認した。
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