2010 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌におけるタリン1の機能解析およびテーラーメード医療への応用
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22791469
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
坂本 信一 千葉大学, 大学院・医学研究院・泌尿野器科, 助教 (70422235)
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Keywords | 前立腺癌 / マーカー / 免疫染色 / 診断 |
Research Abstract |
前立腺癌患者標本における免疫染色法を用いて、Talin1のタンパクレベルの発現解析に関して、前立腺癌患者標本を用いたTissue Microarrayを用いて解析した。前立腺癌患者標本において、Talin1の発現は、正常前立腺部、及び、前立腺肥大症と比較して、前立腺腫瘍部において、発現の亢進をみとめた(P<0.05)。さらに、リンパ節転移巣においても、正常前立腺部と比較して、優位な上昇を認めた(P<0.05)。前立腺癌原発巣における解析においても、低分化前立腺癌Gleason(8/9)において、中分化前立腺癌Gleason(6/7)と比較して高い発現傾向を認めた(P<0.01)。 現在、当大学における、前立腺癌摘出標本を用いて、前立腺癌のStage, Gleason Score, PSA, Biochemical Failureとの関連を解析施行している。これまでの解析上、Talin1は、前立腺癌において、発現上昇が確認されている。今後、Talin1の発現と、既存の臨床因子との関連解析を進めていく予定である。将来的には、前立腺癌においても、予後不良因子、転移予測因子としての可能性について解析をすすめていく方針である。 また、もう一つの癌に関するメカニズムの解析として、Talin1は、インテグリン非依存的にE Cadherinの発現を抑制することから、Epithelial Mesenchymal Transition (EMT)との関連を解析していく予定である。このことから、癌の浸潤、転移に関するTalin1のさらなる役割が解明され、将来的には、治療標的、及び、診断マーカーとしての可能性に関して、検討を進めていきたいと考えている。
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