2010 Fiscal Year Annual Research Report
放射線照射傷害膀胱に対する自己骨髄由来細胞移植による機能的な膀胱再生の検討
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22791471
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
今村 哲也 信州大学, 医学部, 研究員 (00467143)
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Keywords | 再生医療 / 骨髄由来細胞 / 放射線照射障害 / 膀胱機能障害 / 膀胱 / ラット |
Research Abstract |
これまでの再生医療研究において、治療過程で生じる副次的な傷害によって機能障害を受けた臓器、器官組織の再生を目指した研究は、ほとんど皆無である。われわれは、膀胱癌や前立腺癌、あるいは、子宮癌等の放射線治療によって排尿障害が生じた膀胱に対して、骨髄由来細胞を用いて正常な膀胱組織の再生、あるいは、排尿障害を改善させることを目指している。本研究では、ラット放射線照射障害膀胱モデルを作製し、骨髄由来細胞移植は、有効な治療となり得るのか検討する。本年度の研究成果としては、ラット放射線照射障害膀胱モデル作製において、個体差がなく、再現性が得られる条件を見出した。このモデル作製条件は、全身麻酔をかけた10週齢雌SDラットを保定台に乗せ、鉄版(自作)をあて全身を保護する。恥骨に接する直径1cm円内に2グレイの放射線照射量を一週間に1回照射する。これを5サイクル行った後、2週間通常飼育を行う。この条件によって作製された動物の膀胱内圧測定を行うと、放射線照射しなかった正常ラットと比較して、膀胱収縮圧のパラメーターには変化がなかったが、排尿間隔時間と残尿量において統計学的有意な遅延と増大が認められた。また、組織学的解析において、放射線照射した膀胱では、一部の平滑筋層が損傷しており、また、神経特異的抗体に陽性な細胞が著しく減少していることを確認した。次年度は、放射線照射によって障害をきたした膀胱に骨髄由来細胞を移植し、健常な平滑筋や神経組織を有する膀胱が再生するかどうか検討を行う。また、正常な膀胱機能と同等のレベルに回復するのかも検討を行う。本研究によって、放射線治療後の膀胱機能障害の回避に伴うQOLの向上など、患者にとって有益となる新たな展開が期待できる。
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Research Products
(13 results)