2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト末梢血CD133陽性細胞移植とアルギン酸シートによる新たな陰茎海綿体神経再生
Project/Area Number |
22791475
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井上 省吾 広島大学, 病院, 病院助教 (90457177)
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Keywords | 前立腺癌 / 神経再生 / 陰茎海綿体神経 / アルギン酸ゲルシート / CD133陽性細胞 |
Research Abstract |
前立腺全摘除術は限局性前立腺癌における最も有効な治療法の1つであるが、術後のED(erectile dysfunction:勃起機能不全)などの課題も多い。本研究では、前立腺全摘除術における神経合併切除後の神経再生を目的として、ヒト末梢血から単離したCD133陽性細胞をヌードラット神経欠損モデルに移植し、陰茎海綿体神経の再生の効果を検討している。平成22年度は陰茎海綿体神経損傷モデルラットの作製を試みた。ラットの下腹部を切開し前立腺に到達、顕微鏡下に骨盤神経叢と陰茎海綿体を露出し、両側陰茎海綿体神経を確保した後に、ICP(Intracavernosal oressure:陰茎海綿体内圧)および脚(Meanarterial pressure:平均動脈圧)を同時測定しながら、勃起神経刺激システム(ユニークメディカル社)を用いて骨盤神経叢を電気刺激し(0.5mA、1ms、10Hz、30秒)、陰茎海綿体神経を同定した後に、同部位に2mmの神経欠損を加え、再度陰茎海綿体神経に電気刺激を加えた。ICP/MAP比はsham手術群(control)では0.678で、陰茎海綿体神経切除群で0.314と有意に切除群においてICP/MAP比の低下を認めた(p=0.0002)。本研究結果から、確実な神経損傷が行われたことを確認し、陰茎海綿体神経損傷モデルラットの作製に成功した。平成23年度には、CD133陽性細胞をヌードラット陰茎海綿体神経欠損モデルに移植し、陰茎海綿体神経の再生における効果を検討する。なお、その結果については学会発表ならびに論文投稿を行う。
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