2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト末梢血CD133陽性細胞移植とアルギン酸シートによる新たな陰茎海綿体神経再生
Project/Area Number |
22791475
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
井上 省吾 広島大学, 病院, 病院助教 (90457177)
|
Keywords | 前立腺 / 神経再生 / 陰茎海綿体神 / アルギン酸ゲルシート / CD133陽性細胞 |
Research Abstract |
前立腺全摘除術は限局性前立腺癌における最も有効な治療法の1つであるが、術後のED(erectile dysfunction:勃起機能不全)などの課題も多い。本研究では、前立腺全摘除術における神経合併切除後の神経再生を目的として、ヒト骨髄由来CD133陽性細胞をヌードラット陰茎海綿体神経欠損モデルに移植し、神経再生の効果を検討した。ラットの下腹部を切開し陰茎海綿体を露出し、神経を2mm切除したのみの群(切除群)、切除部位にアルギン酸ゲルシートを貼付した群(Alg群)、貼付したシートにCD133陽性細胞を移植した群(CD133群)、sham群の4群に分けて解析した。12週後に切除部位より中枢側の骨盤神経叢を電気刺激した後に、陰茎海綿体内圧と平均動脈圧を同時測定し、陰茎海綿体内圧/平均動脈圧比を算出し機能的評価とした。結果、切除群に比較してAlg群は有意な改善を認めなかったが(P=0.74)、CD133群は有意な改善を認めた(P=0.01)。測定後、前立腺を摘出して組織学的評価を施行した。ヒト特異的マーカーであるHNAと血管内皮マーカーのvWFまたは神経マーカーのS100と二重染色を行い蛍光顕微鏡で観察した。HNAとvWFは二重陽性細胞を認めたが、S100陽性細胞は認めず、移植細胞は血管へ分化することで神経再生を促進させていると考えられた。なお、その結果については学会発表ならびに論文投稿を行う。
|