2010 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺における新規がん抑制遺伝子REIC/Dkk-3と相互作用する分子の検索
Project/Area Number |
22791476
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
落合 和彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (30550488)
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Keywords | REIC / Dkk3 / 前立腺がん / 相互作用 |
Research Abstract |
本研究においては、がん細胞における強制発現により強力なアポトーシス誘導効果を持つ新規がん抑制遺伝子REIC/Dkk-3と相互作用する分子の検索を行い、REIC/Dkk-3が持つがん選択的なアポトーシス誘導効果の真相を明らかにすることを目的としてREIC/Dkk-3を取り巻く分子間ネットワークの解明を試みた。 ヒトREIC/Dkk-3をbaitとしてYeast two-hybrid assayによりヒト正常前立腺、前立腺がんおよび正常心臓組織cDNAライブラリーを対象に相互作用候補遺伝子を検索した。各ライブラリーにつき約100万クローンをスクリーニングした結果、複数の相互作用候補分子を同定した。候補分子の中にはアポトーシス関連分子及び細胞形態維持に関わる分子等が含まれており、それらの分子の中には生殖器系のがん関連遺伝子との相互作用が既に報告されているものも存在した。これらの結果はREIC/Dkk-3が持つがん選択的アポトーシス誘導能の機序解明に大いに役立つものである。また、臨床応用に際し、相互作用分子との併用によってさらに強力ながん選択的治療法の開発につながる可能性があり、本研究結果による波及効果は非常に大きいと思われる。 今後はYeast two-hybrid assayにより同定された候補分子をREIC/Dkk-3との1:1の相互作用が検証できるMammalian two-hybrid assayと免疫沈降法より確定する予定である。また、Mammalian two-hybrid assayにを用いてREIC/Dkk-3と相互作用分子との結合部位を詳細に検討することにより、REIC/Dkk-3の機能ドメインの同定ができる可能性がある。機能ドメインを明らかにすることによって、より低分子での使用(ペプチド医薬等)が実現する可能性がある。
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Research Products
(2 results)