2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791490
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
穴井 智 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70526699)
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Keywords | 前立腺癌 / 光力学的診断 |
Research Abstract |
前立腺癌における光力学的診断の有用性を検討するため、前立腺針生検施行時、138例の尿サンプリングを行い、5-アミノレブリン酸(ALA)による処理後、プロトポルフィリンIX(PPIX)発現の有無を蛍光顕微鏡下で尿細胞診として判定し、その結果を組織学的確定診断、ならびにProstate Specific Antigen(PSA)値、前立腺体積、直腸診、経直腸エコーなどの臨床パラメータと比較した。PPIX検出による前立腺癌尿細胞診の感度・特異度は各74%・70%であり、既存の直腸診や経直腸エコーによる診断と比較し、高い感度を示し、PSA値よりも高い特異度を示した。また、病理学的悪性度が高い症例ほどPPIXが陽性と判定される頻度が高く、PPIX検出と前立腺癌の病理学的悪性度との関連性が示唆された。さらに、40例に対しては、より定量的解析を行うため、分光光度計を用いてPPIX定量を試み、定量的光力学的診断による前立腺癌診断の感度・特異度はいずれも63%であった。さらに、遺伝子学的検査のため、尿サンプリング時にtotal RNAを抽出し保存し、PSAおよびTMPRSS2-ERGの検出をquantitative PCRにより試みた結果、PSAについてはPPIX陽性症例において有意に高値を示すも、TMPRSS2-ERGについては関連性を証明することはできなかった。 以上より、前立腺癌診断において、光力学的診断の有用性を証明し得た。
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Research Products
(1 results)