2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791497
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金井 邦光 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (80365361)
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Keywords | 前立腺癌 / 骨転移モデル |
Research Abstract |
マウス前立腺癌細胞株Tramp-c1とTramp-c1にルシフェラーゼ発現遺伝子を遺伝子導入した Tramp-c1/CBRを作成、mesenchymal stem cell(MSC)を使用して、マウスに正所性・異所性に細胞を移植させ、腫瘍の生着および遠隔転移について検討を行った。MSCとしてはwild-typeのMSC(WT-MSC)とINK4をknockoutしたMSC(INK4^<-/->-MSC)を使用した。 C57 BL6マウスにTramp-c1細胞、Tramp-c1/CBR細胞、Tramp-c1/CBR細胞+MSCを同時に移植した。細胞の正着は正所性・皮下モデルともに確認できたが、Tramp-c1/CBR細胞は局所でゆっくりと増大していたものの増殖スピードは今一つであった(8wの時点での皮下腫瘍モデルでの平均腫瘍径;Tramp-c1:529.9cm^3、Tramp-c1/CBR:56.3cm^3、Trarnp-c1/CBR+WT-MSC:84.8cm^3、Tramp-c1/CBR+INK4^<-/->-MSC:66.6cm^3)。また14wの時点では骨・肺などへの明らかな遠隔転移は認められなかった。残念ながらTramp-c1/CBR細胞のC57 BL6マウスへの正着率は悪く、腫瘍の増殖スピードもTramp-c1細胞の時と比べて明らかに遅く、またluciferinでの発光も満足のいく結果ではなかった。 そのためヌードマウス(BALB/c nu/nu)を使用して同様の実験を行った。Tramp-c1/CBR細胞単独での移植、Tramp-c1/CBR細胞とWT-MSC or INK4^<-/->-MSCを同時に移植した群では、いずれも腫瘍の正着は正所性・皮下モデルともに確認できた(8wの時点での皮下腫瘍モデルでの平均腫瘍径;Tamp-c1/CBR:329.1cm^3、Tramp-c1/CBR+WT-MSC:276.9cm^3、Tramp-c1/CBR+INK4^<-/->-MSC:298.6cm^3)。またluciferinへの反応も概ね良好であった。Tramp-c1/CBR+MSCの正所性での移植では多部位に発光が認められることがあった。正所性に移植した際の背面からの撮影で発光を認めるものもあり、癌細胞にWT-MSCあるいはINK4^<-/->-MSCを一緒に移植することで、細胞の浸潤能については増強されている印象が得られたが、移植の際に播種している可能性は否定できない。また骨・肺などへの明らかな遠隔転移は残念ながら認められなかった。
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