2011 Fiscal Year Annual Research Report
アロ活性化マクロファージによるアロ移植細胞拒絶機構の解析
Project/Area Number |
22791504
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
能見 勇人 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80418938)
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Keywords | アロ活性化マクロファージ / 同種異系移植 / 拒絶反応 / NK細胞 / マウス |
Research Abstract |
同種異型(アロ)移植における細胞性拒絶反応は、単球/マクロファージ(Mφ)系が重要な役割を担うと我々は主張してきた。C57BL/6マウス腹腔にアロ移植細胞としてMethA細胞を移植し、7日目など次期にマウス腹腔の細胞をPBSで洗浄し洗いだし、その腹腔浸潤細胞の細胞数の確認を行うとともに、Mφ分画をセルソーターで抽出した。この分画はMac-1(CD11b)陽性であり、かつMeth A細胞を噛み切るように傷害すること、また馬蹄様の核の存在からMφを主体とした分画であると考えてきた。しかし、ナツチュラルキラー(NK)細胞のうちMac-1陽性の細胞が同様に腫瘍細胞を攻撃するとの報告が認められるようになった。我々がアロ活性化Mφ(AIM)として集積していたものに、NK細胞が含まれ、NK細胞が、腫瘍細胞に対する活性をもってMethA細胞を攻撃している可能性があることも考慮すべきであることが判明した。このため、このAIMの分画をさらにNK1.1陽性と非陽性に分画をさらにセルソーソターで分けて検索している。現在までの検索では、NK1.1非陽性細胞の分画の障害活性の方が高くなる傾向はあるものの、細胞活性の中心がNK細胞でないと断言できる状況ではない。このため、さらに検索を進めるべく、NK1.1以外の表面抗原として、市販されている抗CD244抗体も角いて詳細に検討中である。さらに使用しているMeth A細胞の発現しているH-2についても再度検索する必要性が考えられる。甑細胞をより確実に除く方法を検証し、AIM分画の細胞活性がMφによってなされていることを証明できるか否かが、実験にかかる根幹な問題でもあることから、AIM分画に含まれうる活性化Mφ以外の細胞(T細胞も含め)をより確実に除く方法を用い検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述のように、アロ細胞として腫瘍細胞を用いてきたため、NK細胞が腫瘍細胞に対して攻撃している可能性を考慮すべきと考え、アロ活性化マクロファージ(AIM)の分画に混入する可能性のあるMac-1陽性のNK細胞を除き、より確実に純粋な活性化マクロファージの分画を分離抽出する必要性が生じた。このため、AIMの精査にかかる実験はやや遅れており、結果によっては、予想と異なる知見が得られる可能性もありうる。
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Strategy for Future Research Activity |
我々が観察してきた、アロ腫瘍細胞に対する細胞障害活性とアロ細胞の溶解作用が、AIMによってなされているものか、もしくは、CD11b陽性のNK細胞による作用が含まれるものか、この点をまず確実に検証する。NK細胞の表面抗原により分画からNK細胞分離する方法と、さらにNK細胞の武器とされるパーフォリンノックアウトマウスも併せて用い、自然免疫によるアロ腫瘍細胞に対する障害活性がいかに来されているのか、51Crのreleasing assayや、傾向顕微鏡による連続写真撮影を用いる等の方法で、詳細に検証し報告したい。
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