2011 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺癌におけるDD3による癌抑制候補遺伝子BMCC1の制御と癌化への関わり
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22791507
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
巽 康年 千葉県がんセンター(研究所), 研究局, 研究員 (00450578)
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Keywords | 前立腺癌 / BMCC1タンパク質 / アポトーシス促進因子 / siRNA / ノンコーディングRNA |
Research Abstract |
本研究は、前立腺癌のマーカーとして知られるDD3遺伝子が、当研究室で発見した新規遺伝子BMCC1遺伝子の第6イントロンに逆向きにコードされることから、前立腺癌において機能未知non-coding RNAのDD3遺伝子の発現がBMCC1の発現制御に関わる可能性について検討する(項目1)こと、および、この制御系を応用した前立腺癌の治療および診断への有用性を検討すること(項目2)を二本柱とする。(項目1)23年度は、DD3がBMCC1の発現を転写レベルで抑制するのかについて、RNA合成阻害剤アクチノマイシンD処理を行って検討した。その結果、RNA合成を止めたにもかかわらずBMCC1 mRNAの蓄積が確認されたことから、DD3はBMCC1 mRNAの不安定化に寄与することを明らかにした。また、BMCC1がアポトーシス促進因子として働くメカニズムについても明らかにしつつある。(項目2)前立腺癌組織のパラフィン切片を用いて抗BMCC1抗体による免疫組織染色とHE染色を組み合わせ、癌部と非癌部におけるBMCC1の検出方法の確立およびそれを用いた発現解析を行った。その結果,BMCC1は正常部で高発現するが癌部で発現低下していることを発見した。DD3のin situハイブリダイゼーション法による検出については現在検討中である。興味深いことに、DD3 mRNAの発現は癌部で高く非癌部で低いことがin situハイブリダイゼーション法を用いた解析から報告されており、BMCC1の発現と逆相関することが示唆される。 以上、培養細胞を用いた解析より、前立腺癌で高発現するDD3の発現抑制が項目2に掲げた前立腺癌の新たな治療法となる可能性を示すことが出来た。さらに、BMCC1の免疫組織染色法を確立できたことは、今後の前立腺癌臨床検体におけるBMCC1発現解析を行う上で非常に有用である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DD3がBMCC1を発現抑制するという現象およびその機構については、おおむね検証・解明できた。また、項目2を遂行する為に必要不可欠となる、前立腺がん組織におけるBMCC1の発現をモニターする方法の確立にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
項目1に関しては、DD3-BMCC1経路をターゲットとした前立腺癌治療法の開発に先立ち、BMCC1がどのようなメカニズムで細胞死を促進するかさらに検討を進め、DD3の発現抑制によって惹起されるBMCC1の発現亢進を介した細胞死誘導のメカニズムを明らかにする。 項目2に関しては、in situハイブリダイゼーション法を用いたDD3の発現を検出する手法の確立を急ぎ、BMCC1の免疫組織染色と併せて、前立腺癌臨床検体における発現比較をすすめ、臨床データーと比較して統計的解析をすすめる。
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Research Products
(3 results)