2011 Fiscal Year Annual Research Report
抗老化分子SIRT1制御を標的とした新規着床機能解明および着床不全治療戦略の開発
Project/Area Number |
22791515
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平池 修 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20529060)
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Keywords | SIRT1 / レスベラトロール / E-cadherin / 胚受容能 / 転写因子 |
Research Abstract |
子宮内膜の増殖・分化・脱落膜化はエストロゲン・プロゲステロンによって制御されており、エストロゲンの活性は核内受容体であるエストロゲンレセプター(ER)により制御されている。抗老化因子であり植物エストロゲンによりその活性を制御されるSIRT1、SIRT1を制御するDBC1の子宮内膜における発現、作用機序、およびこれらタンパクのホルモン依存性について検討し、産婦人科領域における病態意義を見出した。本研究により、SIRT1が転写因子として細胞接着分子E-cadherinの発現を直接的に制御することを見出した。 1)子宮内膜におけるSIRT1およびDBC1の発現量を定量的PCRで検討したが、増殖期より分泌期の方が高い発現量を示した。 2)SIRT1が、細胞接着分子であるE-cadherinの発現を制御する可能性について検討した。SIRT1の強制発現により E-cadherinの発現が誘導され、siRNAによる内在性SIRT1のノックダウンによりE-cadherin発現が減少することが判明した。ルシフェラーゼアッセイにより、この発現騰導はE-cadherhinプロモーター上に存在するE-box領域に依存することがわかり、SIRT1がE-boxに結合する転写促進因子であるという新たな知見を見出した。またクロマチン免疫沈降法により、SIRT1がE-cadherinプロモーター上に実際に存在することが確裡された。 3)SIRT1の活性化をもたらす植物エストロゲンレスベラトロールにより、E-cadherin発現が誘導されることが判明した。 4)着床現象を模倣しているin vitro spheroid attachment assayを用いたところ、SIRT1発現により子官内膜細胞の胚受容能が亢進する可能性が示された。また、レスベラトロールにより同様に胚受容能が亢進する可能性が示された一方、SIRT1のインヒビターでは胚受容能が抑制された。 5)レスベラトロールにより、胚着床に関連するGlycodelinの発現が増えることが分かった。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Resveratrol promotes expression of SIRT1 and StAR in rat ovarian granulosa cells : an implicative role of SIRT1 in the ovary2012
Author(s)
Morita Y, Wada-Hiraike O, Yano T, Shirane A, Hirano M, Hiraike H, Koyama S, Oishi H, Yoshino O, Miyamoto Y, Sone K, Oda K, Nakagawa S, Tsutsui K, Taketani Y
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Journal Title
Reprod Biol Endocrinol
Volume: 10
Pages: 10
Peer Reviewed
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[Journal Article] Multifunctional transcription factor TFII-I is an activator of BRCA1 function2011
Author(s)
Tanikawa M, Wada-Hiraike O, Nakagawa S, Shirane A, Hiraike H, Koyama S, Miyamoto Y, Sone K, Tsuruga T, Nagasaka K, Matsumoto Y, Ikeda Y, Shoji K, Oda K, Fukuhara H, Nakagawa K, Kato S, Yano T, Taketani Y
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Journal Title
Br J Cancer
Volume: 104
Pages: 1349-55
Peer Reviewed
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