2011 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜癌幹細胞の同定と難治性癌治療法開発への応用
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22791521
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 充宏 金沢大学, 附属病院, 助教 (50377397)
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Keywords | 子宮内膜癌 / 幹細胞 / CD133 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に同定した子宮内膜癌幹細胞の分子生物学的特徴について検討を行った。マイクロアレイを用いて幹細胞と非幹細胞との間で遺伝子発現Profileを比較検討した。解析した約25,000遺伝子のうち約500遺伝子において癌幹細胞で発現が亢進していた。まず初めに、抗癌剤抵抗性遺伝子であるABCG2に注目した。ABCG2はSide population(SP)に関連する遺伝子でありSP細胞が子宮内膜癌において癌幹細胞であることを昨年度報告している。そこで子宮内膜癌細胞においてSP細胞がnon-SP細胞に比し、抗癌剤抵抗性であることをIn vitro chemosensitivity assayにて確認した。次にCD133陽性、陰性細胞においてABCG2の発現をRT-PCR法にて、SP細胞に割合をフローサイトメトリーにて検討したところ、ABCG2の発現、SP細胞の割合共にCD133陽性子宮内膜癌細胞において上昇していた。CD133(+)/SP、CD133(+)/non-SP、CD133(-)/SPそしてCD133(-)/non-SPの4分画に細胞を分離し細胞増実験を行ったところ、CD133(+)/SP細胞が他の3分画細胞に比べ細胞増殖の亢進と造腫瘍能を有していた。以上の結果よりCD133(+)/SP細胞がより純化された癌幹細胞であり治療性抵抗性に重要な役割を果たしている事が明らかとなった。 次にMT1-MMP(MMP14)に注目しIn vitro invasion assayにて癌幹細胞の浸潤能が有意に亢進していることを確認した。MT-MMP1の発現をsi-RNAで抑制したところ浸潤能は有意に減弱したことよりMT-MMP1が内膜癌の浸潤、転移に中心的役割を演じている可能性が示唆された。 これらの結果は難治性子宮内膜癌のメカニズムの解明及び治療法の開発に有意義なものであると考えられる。
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Research Products
(4 results)