2010 Fiscal Year Annual Research Report
組織マイクロアレイを用いた子宮肉腫における分子標的マーカーの同定
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22791540
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
澤田 守男 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (60573748)
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Keywords | 癌 / 病理学 / トランスレーショナルリサーチ |
Research Abstract |
子宮肉腫はさまざまの治療に抵抗し、未だに予後が極めて悪い疾患である。本研究では、多数の子宮肉腫手術症例のデータベースを利用して、パラフィン包埋ブロックから腫瘍の組織マイクロアレイを作製し、免疫組織化学法やFISH法などを用いてがん関連遺伝子産物などの蛋白発現ペターンや遺伝子の増幅を解析する。高頻度に起きている特定のがん関連遺伝子の発現異常や遺伝子の増幅などを見出し、予後などの臨床データとの相関を検討して、子宮肉腫における分子標的マーカーを同定することを目的とした研究である。この研究によって同定された分子マーカーから子宮肉腫の発生の機構が理解され、予後改善に向けた分子標的治療の確立につながることが予想される。 現在、子宮肉腫手術症例138例のパラフィン包埋ブロックを選択し、2mm径のコアからなる組織ブロックを打ち抜き、レシピエントブロックに並べて組織マイクロアレイを鋭意作製している。今後、組織アレイを薄切して免疫組織化学法あるいはFISH法によって、KIT, EGFR, HER2をはじめとするがん遺伝子の発現異常や遺伝子コピー数異常を検索する。コントロールとして子宮内膜組織や子宮平滑筋組織の組織も必ず入れておき、実験の信頼性を高める工夫をする。また癌肉腫では癌の成分と肉腫の成分に分けて組織マイクロアレイを作り、どちらの構成成分かで特異的に発現や増幅している分子を見落とさないようにする。組織マイクロアレイによるスクリーニングで高頻度に異常が見つかった分子については、腫瘍全体の組織切片で再度免疫染色を行い、結果の正当性を確認する。その上で、同定されたがん関連遺伝子などの発現状況と子宮肉腫の予後などの臨床病理学的データとの相関について調べる。
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Research Products
(8 results)