2012 Fiscal Year Annual Research Report
胎盤におけるマイクロRNA発現メカニズムと機能解析:IUGRの新たな分子基盤研究
Project/Area Number |
22791553
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
菊池 邦生 日本医科大学, 医学部, 講師 (70374676)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 産科学 / 胎盤 / microRNA |
Research Abstract |
本研究は、ヒト胎盤栄養膜において特異的に発現しているmicroRNA(miRNA)遺伝子の分子機能および発現制御の解析を主に分子細胞生物学の手法を用いて行った。さらに、この胎盤特異的miRNAが、胎児発育遅延においてどのような役割を果たしているかを明らかにする分子基盤研究を目的に研究を行った。 A) ヒト胎盤栄養膜特異的miRNAの発現制御解析:ヒト胎盤栄養膜特異的miRNA遺伝子の上流域に存在するDNAのメチル化状態は発現と相関している。今回、ヒト胎盤由来の絨毛外栄養膜細胞の細胞株HTR8/SVneoおよびHChEpC1bを用いて発現とメチル化状態を解析したところ、ヒト胎盤絨毛組織、絨毛栄養膜細胞株(BeWoなど)で発現していたヒト胎盤栄養膜特異的miRNA遺伝子は、発現しておらずDNAはメチル化されていた。したがって、胎盤栄養膜の部位特異的なヒト胎盤栄養膜特異的miRNA発現のエピジェネティック制御が示唆された。またこの結果は、今後のクロマチン免疫沈降法による転写制御因子の解析にこれらの細胞をコントロールとして用いることができると考えられた。 B) ヒト胎盤栄養膜特異的miRNAによるアポトーシス誘導に関連する標的mRNAの同定とシグナル伝達解析:これまでにヒト胎盤栄養膜特異的miRNAをBeWo細胞に過剰発現させると、ミトコンドリアを介したアポトーシスの誘起を見出したが、実験が安定せず、実験条件の再検討を行った。BeWo細胞の過剰発現実験から見出された他の標的mRNA候補の解析を進め、ルシフェラーゼを用いた3'-UTRレポーター解析から、ヒト胎盤栄養膜特異的miRNAがカルシニューリンを標的とすることを見出した。この結果は、ヒト胎盤栄養膜特異的miRNAによる新たな転写後翻訳調節機構の解明につながることができる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)