2011 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部癌細胞におけるマイクロRNA活性化機序の解明
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22791561
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
加納 里志 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教 (00374421)
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Keywords | 頭頸部癌 / マイクロRNA / TRIM32 |
Research Abstract |
頭頸部癌細胞を用いて,TRIM32に特異的に結合するマイクロRNAを網羅的に同定し,そのマイクロRNAがTRIM32によって活性化されているかを解析し,また,同定されたマイクロRNAのターゲット遺伝子を同定して,それらマイクロRNAとターゲット遺伝子が実際の臨床検体ではどのように発現し,さらに,その臨床データと相関するかを検討することを目的に,研究を行った。昨年度、頭頸部細胞株を用いてTRIM32と結合するマイクロRNAを同定し、そのマイクロRNAのTRIM32による活性化の解析をルシフェラーゼアッセイを用いて行った。しかし、その解析の結果、TRIM32によるマイクロRNAの活性化が検出できなかった。そこで、再度、同様の細胞株を用いて、TRIM32およびArgonature-1に対する抗体を用いて免疫沈降実験を行い、結合するマイクロRNAを専用のキットを用いて分離精製した。しかし、その実験の過程で、用いた頭頸部細胞株にマイコプラズマの感染があることが判明した。現在、細胞株を変更して下記の実験を施行中である。 1.頭頸部癌細胞のcell lysateを用いて,TRIM32およびArgonaute-1に対する抗体を用いて免疫沈降実験を行い,結合するマイクロRNAを専用キットを用いて分離精製した. 2.マイクロRNA用の逆転写プライマーセットを用いてリアルタイムPCR法により網羅的にマイクロRNAアッセイを施行. 3.Argonaute1に結合するマイクロRNAとTRIM32に結合するマイクロRNAの発現を比較し,TRIM32に特異的に結合するマイクロRNAを同定. 4.同定されたマイクロRNAのTRIM32による活性化を,ルシフェラーゼアッセイを用いて検討.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度同定したマイクロRNAを用いた実験で、ルシフェラーゼアッセイの結果、TRIM32によるマイクロRNAの活性化が認められなかった。さらに、用いていた細胞株にマイコプラズマ感染がみつかった。そのため、細胞株を変更して実験をやり直す必要があったから。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞株を変更して、TRIM32により活性化するマイクロRNAを同定する。そして、そのマイクロRNAのターゲットタンパクの発現を解析する。さらに、臨床標本における同定されたマイクロRNAとそのターゲットタンパク質の発現を検討し、臨床データ(癌の進行度、予後)と比較検討する。
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