2010 Fiscal Year Annual Research Report
加齢および廃用による嚥下障害の発症機序と予防法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
22791573
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
二藤 隆春 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60334372)
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Keywords | 嚥下障害 / 嚥下関連筋 / 老化 / 廃用 / ホルモン |
Research Abstract |
高齢者では加齢変化や廃用により嚥下機能が低下し、肺炎や低栄養、窒息の原因庭なることが知られているが、その機序に関しては明らかになっていない。本研究の目的は、加齢及び廃用による嚥下機能障害における、性ホルモンや成長ホルモンなどの関与の解明およびそれに基づく薬物療法の開発に関する検討を行うことである。初年度の平成22年度には基礎となるデータとして、加齢による嚥下関連筋群の形態的・免疫組織学的検討を行うため、以下の研究を行っている。実験動物として生後4週(成熟期=小児)、12週(繁殖期=成人)、52週(老齢期=老人)のマウスを使用(52週は継続中)。各々の舌筋群、前頚筋群、下咽頭収縮筋およびコントロールとして大腿筋を摘出し、ホルマリン固定、パラフィン包埋し、免疫染色用の標本を作製した。ヘマトキシリンエオジン染色による観察、アセチルコリンエステラーゼ染色による神経筋接合部の観察、ミオシンATPase染色による筋繊維のタイプ分類、アンドロゲン受容体(AR)およびプロゲステロン受容体(PR)、エストロゲンαおよびβ受容体(ERα&ERβ)、IGF1受容体(IGF-IR)の局在および密度に関して、各年代のマウスで比較、検討する準備に入っている。また筋繊維のremodelingを各部位および各年代間で比較、検討するため、細胞増殖マーカーであるプロモデオキシウリジン(BrdU)を腹腔内投与し、上記組織を経時的に採取し、標本作製を進めている。
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