2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791584
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
鈴木 弟 福井大学, 医学部附属病院, 医員 (10444225)
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Keywords | microRNA / HGF / 頭頸部扁平上皮癌 / EMT / Matriptase |
Research Abstract |
我々の研究目的は、頭頸部扁平上皮癌におけるmicroRNAの機能発現の解明である。そこでまず、我々は、頭頸部扁平上皮癌における重要な因子の一つである肝細胞増殖因子HGF刺激前後のmicroRNA発現変化の有無をマイクロアレイを用いて検討した。その結果、刺激前後で有意に変動するmicroRNAをいくつか同定し、リアルタイムPCRにより再現性を検討した。その結果、downregulationするmiR-200cとmiR-27bが同定できた。これらのmicroRNAの標的遺伝子を、データベースや報告論文をもとに調査しmiR-200cはEMT(epithlial-mesenchymal transition)に重要なZEB1/2を、miR-27bはHGF活性化酵素の一つであるMatriptaseが標的遺伝子の一つとして挙げられた。そこで、リアルタイムPCRを用いて刺激前後で各々のmicoRNAの標的遺伝子の発現が連動して変化するかを検討した。その結果、miR-200cとmiR-27bと各々の標的遺伝子であるZEB1、Matriptaseは時間依存性に有意に変動し、downregurationされたmicroRNAとは逆に、upregulationすることが分かった。この結果は、タンパクレベルでも同様な結果が得られた。さらに、変動したmicroRNAをトランスフェクションし強制発現をさせると、HGF刺激によるタンパク発現変化は打ち消され、さらに、invasionassayにおいてもmicroRNAを強制発現させるとHGF刺激しても有意に浸潤が低下することがわかった。これらより、HGF機能の1つであるEMTが起こる機序に、miR-200cが関与し、HGF刺激は、miR-27b発現低下を介しMatriptase発現を増加させ、HGF自身を活性化している可能性が考えられた。以上より、HGFはmicroRNAを介して頭頸部扁平上皮癌の機能発現を担っており、また逆にmicroRNAの制御にHGFが関与していることが示唆され、今後の頭頸部扁平上皮癌とmicroRNAの研究において重要な手がかりが得られた。
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Research Products
(1 results)