2010 Fiscal Year Annual Research Report
内耳におけるグルタミン酸代謝の解明と遺伝性難聴に関する研究
Project/Area Number |
22791588
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小口 智啓 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (10377640)
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Keywords | グルタミン酸 / 内耳 / グルタミン・グルタミン酸サイクル / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
内耳(聴覚系・末梢前庭系)には様々な神経伝達物質が分布しており、聴覚・平衡覚の維持に重要な働きをしていると考えられている。特に求心系ではグルタミン酸が主たる神経伝達物質と考えられており、当教室からの報告も含め過去に多く報告されている。中枢神経系においては、グルタミン酸作動性神経の神経終末と周囲のグリア細胞の間で効率的にグルタミン酸代謝を行うための「グルタミン酸-グルタミンサイクル」が存在していることがよく知られており、内耳においても感覚細胞と支持細胞間に中枢と類似した「グルタミン酸-グルタミンサイクル」が存在している可能性が推測されている。内耳に関しては、グルタミン、グルタミン酸の存在、グルタミン酸トランスポーター、グルタミン酸レセプター、各種酵素などの存在は報告されているが、グルタミントランスポーターに関しては現在までに報告がなく、グルタミン酸-グルタミンサイクルの全容は未だ解明されていない。 平成22年度は、グルタミントランスポーターであるSAT1、SAT2に特異的な抗体およびプライマーを用いてラット内耳におけるグルタミントランスポーターの局在について検討を行った。 またSAT1,SAT2の内耳内の存在について、それぞれに特異的なプライマーを用いてreal-time PCRを行った。その結果では蝸牛、前庭それぞれにおいてSAT1、SAT2の存在が確認することができた。 またSAT1、SAT2に特異的な抗体およびラット内耳切片を用いて行った免疫染色では、SAT1、SAT2共に蝸牛では内有毛細胞に認められ、前庭では感覚細胞層に認められた。これらの所見からは、内耳においても感覚細胞においてSAT1、SAT2にて支持細胞から放出されると考えられるグルタミンの取り込み、また神経伝達物質としてグルタミン酸を放出していることが推測することができた。
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Research Products
(1 results)