2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791596
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嘉田 真平 京都大学, 医学研究科, 医員 (70543263)
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Keywords | Emx2 / ヘッジホッグシグナル / 中耳・外耳発生 / 第一・第二鯉弓 |
Research Abstract |
中耳・外耳奇形は頻度の高い先天奇形であるが、その原因遺伝子はわかっていないものが多い。ヘッジホッグシグナルは発生期の形態形成に重要な役割を果たし、その異常は様々な先天異常の発症に関わることが報告されているが、中耳・外耳奇形との関連は明らかになっていない。本研究はヘッジホッグシグナルの中耳・外耳形成における役割を明らかにすることをために、中耳・外耳でヘッジホッグシグナルが特異的に欠失するコンディショナルノックアウトマウスおよびヘッジホッグシグナルが過剰発現するトランスジェニックマウスを作成して中耳・外耳の変異を解析することを目的としている。 Emx2は脳・嗅上皮・内耳・腎尿路系などに発現するホメオボックス遺伝子であり、Emx2 (Cre)マウスは原理的にEmx2 (Cre)が発現している特定の領域でヘッジホッグシグナルが持続発現するようにデザインされたものである。平成22年度の研究においてEmx2(+/Cre)マウスのCre発現活性を解析したところ、中耳発生に関わる第一・第二鯉弓にその活性が認められ、また、発生が進むと中耳の一部、外耳道・耳介に認められることが明らかとなった。 第一・第二鯉弓は中耳・外耳の発生原基として大きく関わっていることがすでに知られている。平成22年度に解析したEmx2(+/Cre)マウスとRosa26SmoM2を交配させてEmx2(+/Cre) ; Rosa26SmoM2マウスを作成すれば、中耳・外耳発生に関わる第一・第二鯉弓に限局してヘッジホッグシグナルが発現し続けることが期待できる。平成23年度にはEmx2(+/Cre) ; Rosa26SmoM2マウスを作成しヘッジホッグシグナル過剰発現の中耳・外耳発生への影響を解析する予定であるが、平成22年度の実験によりその基礎となるデータを得ることが出来た。
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