2010 Fiscal Year Annual Research Report
良性発作性頭位めまい症の眼振三次元解析からの予後推測
Project/Area Number |
22791597
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今井 貴夫 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (80570663)
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Keywords | 良性発作性頭位めまい症 / 眼球運動解析三次元解析 / ビデオ眼振図計 / 赤外線CCDカメラ / 病的眼振 |
Research Abstract |
良性発作性頭位めまい症とはめまいを症状とする疾患の中で最も頻度の高いものであり、内耳の一部分である三半規管の障害により生ずる疾患である。通常は一か月以内にめまい症状はなくなるが、半年以上、めまい症状が続く症例や、再発を何度も繰り返す症例も存在する。当研究の目的は良性発作性頭位めまい症に罹患したときに誘発される、異常眼球運動の一種である病的眼振を眼球運動三次元解析の手法を用いて解析し、得られた結果から、その症例が以後、どれくらいの期間、めまい症状が続くかを推測することを目的とする。平成22年度には、通常の良性発作性頭位めまい症にて、どれくらいの期間、めまい症状が続くかを検討するため、良性発作性頭位めまい症のサブタイプの一つである、方向交代性上向性眼振を示すタイプの自然経過を調べ、論文として発表した(Auris Nasus Laryny, 2011)。脳の一部分である脳幹と呼ばれる部位に病変があり、良性発作性頭位めまい症にて観察される病的眼振と酷似する病的眼振を示す症例の眼振を赤外線CCDカメラにて撮影し、その映像に対し、ビデオ眼振図計にて三次元眼球運動解析を行い、通常の良性発作性頭位めまいで観察される眼振との相違点を発見した。また、当症例の病変部位から、どのような機序で良性発作性頭位めまい症に酷似した眼振が誘発されたのかを考察し、論文として発表した(Auris Nausu Larynx, 2010)。良性発作性頭位めまい症と考えられるが、良性発作性頭位めまい症で観察される病的眼振とは性状が若干異なる数名の症例の病的眼振の三次元解析を行い、これらの症例の眼振の性状がなぜ通常とは異なっていたのかの原因を明らかにし、XXVI Barany Society meetingで発表した。
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Research Products
(7 results)