2010 Fiscal Year Annual Research Report
気管上皮に発現する酸素センサー分子の同定と機能解析
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22791598
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
石田 雄介 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30381809)
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| Keywords | 酸素センサー / 低酸素 / 味蕾様構造物 / 気管上皮 / 脳・神経 / 神経科学 / in situ hybridization / 免疫組織化学 |
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| Research Abstract |
酸素は生きる為に絶対に欠かせないものである。しかしながら吸い込んだ空気、すなわち外気の酸素のセンサーは現在も見つかっていない。我々はこれまで味覚、特に味蕾の研究を行ってきたが、味蕾は代表的な化学受容器のひとつである。味蕾は唾液に溶けた味物質を検出するが、似通った構造物は舌だけではなく、例えば頸動脈分岐部にも存在し(頸動脈小体)血中の酸素濃度を検知している。我々は気管上皮にも似たような細胞が存在することを発見した。さらに興味深いことにこの細胞(群)は低酸素で増加することが示唆された。気管上皮のこれは我々の調べうる限りでは世界で初の外気の酸素濃度のセンサーと考えられた。こうして我々はこの酸素センサー分子を同定し、さらにその機能を解析するための研究を開始した。現在も研究は進行中であるが、これまでの成果を報告する。
1.マウス気管上皮におけるgustducinの発現の検討 gustducinは舌や消化器においてしばしば化学受容細胞に見られるためここでも化学受容細胞のマーカーとして用いた。免疫組織化学法、およびin situ hybridization法でマウス気管の上皮でgustducin陽性細胞が確認された。さらにこの細胞は逆三角形の特徴ある形から化学受容細胞にふさわしいと考えられた。
2.気管上皮細胞のプライマリーカルチャーおよびカルシウムイメージング法による評価 現在も完全とは言えないが、マウス気管上皮を酵素処理して丁寧にはぎ取り、プライマリーカルチャーができるようにさまざまな条件の最適化を目指している。このプライマリーカルチャーを行った気管上皮細胞を用いて、様々な酸素濃度刺激による細胞の活性化をカルシウムイメージング法を用いて評価している。まだはっきりしたことは言えないが、例えば低酸素刺激によって一部の細胞で細胞内カルシウムの上昇が見られている。
以上、ここまでの研究の進行の概要を示したが、申請した研究計画書にそって進めている。
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