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2011 Fiscal Year Annual Research Report

骨髄細胞を用いた嗅覚神経細胞の再生に関する研究

Research Project

Project/Area Number 22791603
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

吉延 潤子  岡山大学, 医学部, 技術専門職員 (80448224)

Keywords再生医学 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 脳・神経
Research Abstract

本年度の研究では、(1)嗅覚組織発生時・再生時における分化制御因子等の動向解析、(2)使用する薬剤の効果に関する検討を行った。
(1)発生時(胎生期~成熟期)におけるシグナル関連抗体を用いた免疫組織化学的染色では、activated-notch1について結果が得られた。染色結果では、胎生15日目において嗅球内側に集中して陽性細胞が観察された。胎生18日目、生後1日目の嗅球では、僧帽細胞層(ML層)付近に陽性細胞が観察され、生後10日目の嗅球では、ML層及び糸球体層(GL層)付近に陽性細胞が観察された。成熟期の嗅球では、陽性細胞は観察されなかった。
再生時におけるシグナル関連抗体を用いた免疫組織化学的染色では、Wnt3について結果が得られた。染色結果では、嗅覚障害(薬剤投与)から2日目の嗅球についてはWnt3の分泌は確認されなかったが、障害から5日目以降の嗅球においては、Wnt3の分泌が確認された。
(2)X線(10Gy)照射後にGFPマウス由来骨髄細胞の移植及び嗅覚障害(薬剤投与)を施したマウスを作製し、サイトカイン投与群(G-CSF+SCF)投与群、サイトカイン未投与群に分けた。
サイトカイン投与から1カ月後にマウス頭部組織を採取し、組織学的観察を行った。骨髄細胞の取り込み率を検討したところ、サイトカイン投与群、未投与群において有意差は認められなかった。
以上の結果から、(1)嗅覚組織再生過程においては、ウィントシグナルの関与が示唆された。(2)サイトカイン(G-CSF+SCF)投与による嗅球組織への骨髄動員効果については、これまでにサイトカイン投与から2カ月後においてサイトカイン未投与群との有意差が確認されている。そのため、今回の結果から、サイトカイン投与は長期的な骨髄動員に効果を示すことが考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

嗅覚組織発生時及び再生時では、関与するシグナルが異なっていることが判明し、さらに詳しく調べる必要があるため。

Strategy for Future Research Activity

今後の研究では、嗅覚組織再生時に働く分化制御因子等をさらに詳しく調べて行き、神経新生の促進作用を持つ薬剤を挙げて行く。そして挙げられた薬剤の中から、すでに臨床で実用化されている薬剤を選び、嗅球組織における骨髄細胞の神経細胞への分化について検討していく。

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Published: 2013-06-26  

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