2011 Fiscal Year Annual Research Report
Video-Oculographyにおける定量的評価に基づく眼振解析システム
Project/Area Number |
22791605
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
橋本 誠 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (50343299)
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Keywords | video-oculography / 眼振 / 定量的評価 |
Research Abstract |
フリーウエアの画像解析ソフトImageJと独自のマクロプログラムを用いたvideo-oculography(VOG)で,服振の急速相と緩徐相を認識し,眼振の頻度,振幅など各種パラメータを数値化する定量的評価システムにおいて,これまで頻度・振幅表記のクライテリアの基準がなかったため,暫定的にクライテリアを設定していた。暫定クライテリアを振幅については、小打性眼振を1度以上4度未満、中打性眼振を4度以上7度未満、大打性眼振を7度以上としていた。また頻度については低頻打性を1(打/秒)未満、中頻打性を1(打/秒)以上3(打/秒)未満、頻打性を3(打/秒)以上としていた。今回模擬眼振を作成してクライテリアの検証を行った。 ImageJを用いて、任意の振幅・頻度が設定可能な右向き氷平性の模擬眼振動画を作成するマクロプログラムを作った。任意の振幅・頻度をもつ模擬眼振を作成して再生し、視覚的な印象によって水平性眼振における暫定クライテリアの検証を行った。暫定クライテリアでは振幅7度の眼振は大打性であったが、模擬眼振では中打性という印象であった。また暫定クライテリアでは頻度3(打/秒)以上を頻打性としていたが、頻度が3(打/秒)より小さい眼振も頻打性に含まれるという印象であった。 摸擬眼振を作成して検証を行った結果、以前に設定した暫定クライテリアは、修正の必要があると考えられた。ただし視覚的な印象で判断した場合、基準の設定に主観性が混入する。客観性をもたせる方法としては、複数の医師(施設)の評価をあわせて設定することなどが考えられた。 定量的評価に基づく眼振表記では、主観性を排除した客観的な結果を記録できる。振幅・頻度のクライテリアが確立されると、いつ、誰が行っても客観的な記録を行うことができ、難治性めまいの診断や病状把握に大変有用となると考えられた。
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Research Products
(4 results)