2012 Fiscal Year Annual Research Report
PC3を用いたラットラセン神経節細胞の分化・成熟の誘導
Project/Area Number |
22791611
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊勢 桃子 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (20573596)
|
Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 再生医学 / ラセン神経節細胞 / PC3 / 神経突起 |
Research Abstract |
ラセン神経節細胞は、蝸牛有毛細胞によって機械的エネルギーから電気的エネルギーへと変換された音情報を脳へと伝達するという聴覚機能において極めて重要な役目を担っている。しかしながら、これまでラセン神経節細胞の発生・分化のメカニズムはこれまで不明であった。最近我々は増殖抑制遺伝子の一つであるPC3が胎生期の蝸牛ラセン神経節細胞に発現しており、ラセン神経節細胞の発生・分化に関与している可能性を初めて報告した。本研究はこの結果をもとにして、単離ラセン神経節細胞を用いたPC3発現抑制の効果を見ることにより、PC3のラセン神経節細胞の発生・分化に対する関与をより明確にすることを目的とした。 胎生14日目、胎生16日目、胎生20日目、生後4日目の正常ラットからラセン神経節を採取し、トリプシン処理によって細胞単位に単離し、単離培養ラセン神経節細胞におけるPC3の細胞内局在の確認を行うために、単離直後と1日間37℃、CO25%の環境下でその局在が変化しないことを確認した。平成22年度および23年度には胎生20日目ではPC3は細胞質に、生後4日目では核にその局在を認め、培養1日後もこの局在に変化はなかったことを確認できたが、胎生14日目、胎生16日目のラットラセン神経節細胞については、培養条件の確立に至らなかった。平成24年度は、培養条件が確立している胎生20日目および生後4日目のラセン神経節細胞に対して、PC3.siRNAを導入し、3日間培養後にPC3タンパクの発現抑制により生じるラセン神経節細胞の形態変化について検討したが、コントロール群と比べて明らかなラセン神経節細胞の形態変化は認めなかった。現在、PC3およびGFPを組み込んだアデノウイルスベクターを培養液に加えることにより、単離培養ラセン神経節細胞にPC3を導入し、コントロール群と神経突起の長さ、細胞体の大きさを比較検討中である。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|