2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト脂肪由来幹細胞の培養法の確立および組織再生技術の研究開発
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22791617
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 政博 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90513268)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 脂肪組織由来細胞 / 創傷治癒 |
Research Abstract |
我々は、培養したヒトの脂肪由来幹細胞を用いて、創傷治癒に対する影響を、ヌードラットを用いて実験した。耳鼻咽喉科での手術検体からのヒトの脂肪組織を得るには、安定した供給が困難であったため、市販されているヒトの脂肪由来幹細胞を培養し、使用した。方法としては、生後9週から10週のヌードラットの後頸部に直径10mmの全層性皮膚欠損部を作製した。皮膚欠損部は人工皮膚(テルダーミス真皮欠損用グラフト)で被覆,縫合した。この人工皮膚内に、培養したヒト脂肪由来幹細胞を懸濁したMatrigel TM(BD)を注入、移植した。コントロールとしてPBSを混合したMatrigel TMを人工皮膚内に注入したモデルを作成した。創傷治癒の過程を肉眼的に比較、評価した。肉眼的には,1週間後の時点で,ヒト脂肪由来幹細胞を移植したモデル(ASC群)ではコントロールモデル(Control群)に比べて,創部の縮小傾向を認めていた。2週間後の時点では,いずれのモデルでも創部は上皮化していたが、例数を重ね定量的な検討も行った。創部の1週後の創部の上皮化率は、Cotrol群で57% (n=10) ASC群で73% (n=10)であった。p<0.005 で統計学的な有意差を認めていた。次に、2週間後のみではあるが、上皮化した創部の表皮層の面積(mm2)とその構造について病理組織学的に検討した。その結果、Cotrol群で0.084 mm2 (n=5) ASC群で0.128 mm2 (n=5)であった。p<0.05 で統計学的な有意差を認めていた。また、再生表皮の構造は ASC群では正常な表皮層を形成していたが、control群では有棘層の形成が未熟であった。以上の結果から,ヒト由来の脂肪由来幹細胞が頸部皮膚欠損部において,皮膚の再生を含め早期から創傷治癒を促進させる可能性を示していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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