2010 Fiscal Year Annual Research Report
気道領域におけるヒト脂肪由来幹細胞と多血小板血漿を用いた臓器再生に関する研究
Project/Area Number |
22791618
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
横山 秀二 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (80381408)
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Keywords | 組織再生 / 気道 / 脂肪由来幹細胞 / 多血小板血漿 |
Research Abstract |
【研究の目的】耳鼻咽喉科領域においては、腫瘍や外傷、奇形による骨・軟骨組織、上皮組織、結合織、筋肉、唾液腺などの欠損は美容的・機能的障害を伴うため、これらの再生は重要な課題である。当科では先天・後天性喉頭狭窄の症例に対して人工材料を用いた気管再建を実際の臨床で応用し良好な結果を得ている。しかし、問題点として気道の組織欠損部位の上皮化の遷延や人工材料を用いることによる異物反応の可能性が挙げられる。そのため、ヒト脂肪由来幹細胞を軟骨細胞に分化誘導したものを気管再建部位に移植し、さらに創傷治癒を促進させるものとして数多くの成長因子を含む多血小板血漿(PRP)を用いて気管再建部位の創傷治癒・上皮化促進に寄与する可能性についてin vitroにおいて明らかにする。 【細胞単離および培養方法】気道領域の手術に伴って摘出された皮下脂肪組織を用いた。直ちに抗生物質を含むPBSで洗浄した後、collagenase II溶液で酵素処理し細胞懸濁液にした。遠心分離にて脂肪細胞と脂肪滴を分離後、pore 70μmのセルストレーナーで濾過し、通過した画分を脂肪由来細胞画分として10%FBSを含むDMEMを用いて培養を行い、コンフルエントに達したものを脂肪組織由来幹細胞(ASCs)とし、次に、ASCsを2種類のゲルに混和したものを作製し、scaffoldとしてメッシュ有コラーゲンスポンジ・メッシュ無コラーゲンスポンジの各々に対して、先のASCs含有ゲルを浸透させた状態で4週閉細胞培養を行い、凍結切片を作製しHE染色にてASCsの細胞密度を検討した。 【結果】 培養4週間後においては、細胞密度にばらつきが見られたものの、メッシュの有無に関わらずASCsのゲル内での増殖が確認された。
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