2011 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロRNA解析による頭頸部癌・婦人科癌の発癌機構の解明と新規治療戦略
Project/Area Number |
22791630
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
宇野 光祐 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (20464828)
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Keywords | マイクロRNA / 頭頸部癌 |
Research Abstract |
我々は、喉頭癌、下咽頭癌及び子宮頸癌を検体として、組織・疾患特異的に発現するといわれているマイクロRNA(以下miRNA)の比較検討を行なうことで前癌病変を理解し、癌の発症、進展の機構を明らかにすることを研究目標とした。まずmiRNAのプロファイリングとして、蓄積された臨床検体を用いて、それぞれの組織からmiRNAを含むtotalRNAを抽出しmicroarrayを用いて網羅的に解析後、TaqManqRT-PCRを用いて定量的発現解析を行った。その結果、それぞれの癌において特異的で発現が上昇するまたは低下するmiRNAの候補を突き止めるに至った。そして特に喉頭癌で発現上昇がみられたmiR-196aにおいては、臨床検体84検体を用いて解析した結果、1)同一患者の癌部と非癌部、2)正常組織、良性疾患、前癌病変、癌の各疾患群同士、3)早期癌と進行癌とを比較し、有意差を認めた。また、下咽頭癌では検体組織における癌部と非癌部におけるmiR-196b、miR-106b★(両者とも下咽頭癌で発現上昇がみとめられたmiRNA)の免疫染色を行ったところ、非癌部と比較し癌部での染色を認めた。 一方細胞実験では、頭癌細胞株、下咽頭癌細胞株に、前述の候補miRNAを導入(癌組織における発現が上昇しているmiRNAではinhibitor、発現の低下しているmiRNAではmimicを導入)することにより、miRNAが細胞増殖へ与える影響について検討した。評価はcell count、画像解析ソフトを用いた。喉頭癌においてはmiR-196a inhibitor、下咽頭癌においてはmiR-196b inhibitor、miR-106b★inhibitor、miR-375mimicを導入した細胞で有意差を示した。婦人科癌の候補miRNAにおける細胞実験及び比較までは遂行できなかった。
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