2011 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性眼疾患に対するマクロファージ遊走阻止因子DNAワクチンの開発
Project/Area Number |
22791645
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
北明 大洲 北海道大学, 大学院・医学研究科, 客員研究員 (90451426)
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Keywords | ぶどう膜炎 / MIF / 眼炎症 / ワクチン |
Research Abstract |
平成23年度研究計画に則り研究を進め、以下の成果を得た。 1.MIF DNAワクチンの開発とプロトコールの確定 1)マウスMIF cDNAをpCAGGSベクターを用いてクローニング。MIF cDNAの一部を破傷風毒素(TTX)で置換したMIF変異体を作成。 2)エレクトロポレーション(電気穿孔法)により4週齢マウス筋肉内へ遺伝子を導入。 3)ワクチン接種6週後、ワクチン接種したマウスの尾静脈から血液を採取。血漿を分離し0.1%ウシ血清アルブミン/PBS/0.05%Tween20で希釈した血漿をリコンビナントMIFで固相化した96穴マイクロプレートに加えELISA法で測定。その結果、2つのワクチンが血漿中で有効濃度の抗体を誘導し、暫定的に「ワクチン1」、「ワクチン2」と命名した。しかしそれぞれのワクチンとも490nm吸光度が0.5以上の高抗体価群と0.3程度の比較的低抗体価群がいた。 2.ワクチン接種したマウスのEAU(実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎)軽症化の再現性を確認 1)マウスEAUモデルの作成(EAUの誘導)。マウスにヒト視細胞間レチノイド結合蛋白(IRBP)由来合成ペプチドと完全フロインドアジュバントエマルジョンを皮下注射し、追加免疫として百日咳菌毒素を腹腔内投与。 2)ワクチン接種によるEAUの軽症化の検討するため、ワクチン接種群、裸プラスミド接種群、非接種群の3群にEAUを誘導。 3)免疫21日目に眼球を摘出し、組織学的にぶどう膜炎重症度を比較検討。 その結果、高抗体価誘導マウスでは組織学的ぶどう膜炎が他の2群より有意に軽症であった(p<0.01)。しかし抗体価が十分誘導されなかったマウスでは重症度に有意差がみられなかった。本法による効果の再現性が確認された一方、全身的な有害事象は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DNAワクチンの誘導プロトコールはほぼ確定した。実際に抗体が誘導された群では期待通りの効果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
炎症性サイトカインの抑制状況等を確認し、論文作成を開始したい。
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