2011 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病網膜症に対する汎網膜光凝固術の眼循環測定による治療効果判定の検討
Project/Area Number |
22791647
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
高橋 淳士 旭川医科大学, 医学部, 助教 (90422047)
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Keywords | 糖尿病網膜症 / 汎網膜光凝固術 / 網膜循環 / 脈絡膜循環 |
Research Abstract |
【目的】糖尿病網膜症に対する汎網膜光凝固術後に発症する黄斑浮腫は、重篤な合併症であるが、発症のメカニズムは未解明である。今回、汎網膜光凝固術前後で中心窩脈絡毛細血管板血流量を測定し、脈絡膜血流量の変化とその後の黄斑部形態との関連を検討した。 【方法】増殖前、または増殖糖尿病網膜症患者30名46眼(平均年齢52.9才)を対象とした。汎網膜光凝固術前と術後1か月でレーザードップラー血流計(LDF4000)を用いて中心窩脈絡毛細血管板血流量を測定した。術前、術後1か,月、及び6か月で光干渉断層計(OCT)にて中心窩網膜厚を測定し、黄斑部形態を観察し、経過との関連性を検討した。網膜硝子体牽引症候群、網膜前膜などによる黄斑浮腫症例は除外した。 【結果】中心窩陥凹が保たれ黄斑浮腫の生じなかった群(46眼中25眼)では汎網膜光凝固術前後で中心窩脈絡毛細血管板血流量は、7.8±3.0(au)(mean±SD)から、11.0±5.4(au)と有意に増加していた(p<0.01)。一方、術後に黄斑浮腫の発症、あるいは増強が認められた群(21眼)では血流量に有意な変化はみられなかった。術前の両群間での血流量に有意差は無かった。 【考察】汎網膜光凝固術により中心窩脈絡毛細血管板血流量は増加するが、術後に黄斑浮腫が発症・増強する症例では血流量の増加がみられなかった。中心窩下脈絡膜循環動態の変化が、汎網膜光凝固術後の黄斑浮腫の発症・増強と関連している可能性が示唆された。
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