2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22791650
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
秋山 英雄 群馬大学, 医学部, 講師 (60359586)
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Keywords | メラトニン / Heat Shock Protein / 光障害 |
Research Abstract |
メラトニンは松果体から分泌される日内リズムを調節しているホルモンで、夜間増加した血中濃度と睡眠と深い関係があるとされている。強力な抗酸化物質でもあり、活性酸素によるダメージから細胞を保護する。以前我々は、網膜芽細胞腫Y79細胞の光刺激によるHeat Shock Protein(HSP)70の転写、蛋白合成の誘導やHSP27のリン酸化を確認し、それらを網膜のダメージの指標となりうることを報告した。光障害によるY79細胞のダメージに対してメラトニンがどのような影響を与えるか検討した。方法についてであるが、Y79細胞をポリリジンが塗布されたdishにまき、メラトニンを前処置(1nM,10nM)の有無でグループを2つに分けた。インキュベーター内のY79細胞に3日間持続的光刺激(700lux)を行った後、RNAと蛋白を抽出した。RNAを使ってRT-PCRを行い、HSP90,HSP70とHSP27の遺伝子発現を検討した。また蛋白を使用し、ウェスタンブロットにてHSP90,HSP70の蛋白量とHSP27のリン酸化をみた。結果については、HSP70とHSP27の経時的な遺伝子発現の誘導があり、3日の光刺激で3倍以上の誘導が転写レベルで確認できた。メラトニンはそれらを抑制した。光刺激によるHSP70の蛋白レベルの増加や、HSP27のリン酸化はメラトニンによって抑えられた。 夜間生理的濃度のメラトニンによって網膜光障害が緩和されていることが推測される。近年、昼夜を問わず光暴露されている環境は眼障害を引き起こす要因になりうる。
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Research Products
(3 results)