2011 Fiscal Year Annual Research Report
実験的緑内障濾過手術におけるハニカムフィルムの有用性
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22791652
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
奥田 徹彦 金沢大学, 附属病院, 助教 (10361990)
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Keywords | ハニカムフィルム / 緑内障 / トラベクレクトミー |
Research Abstract |
家兎10羽の両眼にマイトマイシンC(MMC)を併用した緑内障濾過手術を行った。さらに片眼にはハニカム構造をもったハニカムフィルムを留置し、もう片眼にはハニカム構造を持たない両面平滑フィルムを留置した。そして手持ち眼圧計(トノペン)による眼圧測定、超音波生体顕微鏡(UBM)による濾過胞の形状観察、レーザー生体共焦点顕微鏡(HRT II)による結膜上皮の観察を行い、経過観察終了後に組織学的検討を行った。経過観察期間は1カ月とした。両群ともに術前に比し有意な眼圧下降が得られ両群間の眼圧下降に有意差は見られなかった。UBM検査では、両面フィルム平滑を使用した眼ではフィルムはテノン嚢からかなり離れた位置に存在し、ハニカムフィルム群ではフィルムはテノン嚢に裏打ちするように内壁に沿って存在していた。両面平滑フィルムとMMCを併用した群では結膜上皮細胞が犬きく障害され、HRT IIでは結膜上皮細胞の不整形大型化や、部分的な結膜上皮細胞の欠損を認めた。結膜上皮細胞の面積は有意にハニカムフィルムとMMC併用群より大きくなっていた。組織学的にも両面平滑フィルム眼では結膜上皮の脆弱化や部分的欠損を認めたが、ハニカムフィルム群では健常な結膜上皮を維持していた。以上よりフィルムのハニカム構造により、フィルムがテノン嚢に吸着することによって結膜上皮の障害が軽減されている可能性が示唆された。ハニカム構造のないただのフィルムを使用してもMMCによる結膜上皮障害を抑制させることはできず、本フィルムのハニカム構造は健常な濾過胞結膜の形成に大いに有用であることが示唆された。
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Research Products
(3 results)